『不良少女 魔子』★夏純子(魔子)が美しい! 監督:蔵原惟二 1971年

cinema-chouchou2011-02-22

★1971年の日活と大映統合のダイニチ映画『不良少女 魔子』を先日ようやく観た。タイトルが以前から気になっていた「魔子」がどんな不良少女なのだろうと。そして、夏純子主演の映画を観たことがなかったことも楽しみの理由だった。

天下の日活もこの時期は低迷期で最後の力を振り絞るかたち...素人の私が偉そうに言うのも変ですがそんな雰囲気が伝わり、ある意味切ない思いで結末の行方を観ていた。(個人的に「日活映画」は50年代から60年代の作品が好きで、「東宝」「松竹」「東映」映画をより多く観ていて好きな作品は「東宝」「松竹」作品に多い。)

不良少女グループのリーダー的存在の魔子は破天荒な毎日を他の少女たちと送っている。少女といっても高校は卒業(退学かな)しているであろうくらいの年齢なので、20歳前後のメンバーぽい。制服で万引きする女子高校生グループと喧嘩したりして、その品物を奪ったり...まあ、良くない人たち。何故、この魔子たち(不良少女グループ)が、こうも自堕落な生活を送ることになったのかは想像するしかない。魔子が行きつけのゴーゴー・クラブでガンガン踊っている時に、若い男性グループと知り合い、その中の一人の男性秀夫に恋をする。

ところが、魔子の兄(藤竜也)は安岡組のやくざでそこのボス役で宍戸錠も少し出演。そんな不良少女グループと青年グループと暴力団との絡みで魔子の愛した青年は死んでしまう。そのグループの中には翌年1972年頃には『太陽にほえろ!』の「殿下」としてブレイクする小野寺昭が居たのは良かった(「殿下」好きなので)。裏切るかたちになるのだけれど、やはり"華"があると再認識。

最後に魔子のアップの瞳から涙がこぼれる場面はジーンと来た。70年代初頭の当時のファッションも好きなので、特に夏純子と戸部夕子(ユリ役)の美しさばかりを目で追っていた。お話的には期待した程面白い展開ではなかったけれど、観れて良かったかな。

余談ながら、『太陽にほえろ!』のジーパン刑事時代に夏純子はゲスト出演されていた。また、最も記憶に残っているドラマは桜田淳子石立鉄男主演の『玉ねぎむいたら』の中で前半、石立鉄男の彼女役のグラフィックデザイナー役で出演されていた「友子さん」の印象が強く残っています。クールな美しさで素敵な女優だと思います。

不良少女 魔子
1971年・日本映画
監督:蔵原惟二 脚本:藤井鷹史、黒木三郎 撮影:山崎善弘 美術:木村威夫 編集:鈴木晄 音楽:鏑木創
出演:夏純子、小野寺昭藤竜也宍戸錠、岡崎二朗、深江章喜、戸部夕子、美波節子、原田千枝子、太田美鈴

不良少女 魔子 [DVD]

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