『サイコ 2』 リチャード・フランクリン監督 (1983年)

サイコ2:PSYCHO II
1983年 アメリカ映画 リチャード・フランクリン監督

出演:アンソニー・パーキンスヴェラ・マイルズ、メグ・ティリー、ヒュー・ギリン

私は推理力・頭の回転がとてもスローなので馬鹿みたいに気になった作品を幾度と観てしまう。好きで観る作品があればこの「サイコ2」の様に「う〜ん...?」と訳の分からない箇所、でも気になって仕方がないという場合。でも、結局この映画が好きなのだと思う。今もハッキリしない部分があるのだけれど。また観よう〜。

アンソニー・パーキンスって不思議な魅力のある俳優さんだったと思う。スタイリッシュながらどこか少年の様。でも、ちょっと変わってる。なので、このノーマン・ベイツ役はあまりにもハマリ役だった。ヒッチコックの「サイコ」から23年を経て制作されたこの「サイコ2」。お話は続いている様で新しい角度から描かれている気もする。勿論、ノーマン役は引き続きアンソニー・パーキンス。そして、22年(と台詞にはある)前に姉マリオン(ジャネット・リー)を惨殺された妹ライラ(ヴェラ・マイルズ)もここでも登場。メグ・ティリーはその娘役。

このメグ・ティリーの存在感が私にはかなり大きなものとなっている。ただ好きだというだけなのだけれど。それにしても、リチャード・フランクリン監督のこの「サイコ2」はあのヒッチコック作品の続編的なとてもプレッシャーのかかる制作に挑んだのだなぁ...でも、とても面白い。最後に意外な展開となり、当然その続編も。(でも、まだ3と4は観ていない。)

あのお屋敷の無気味に美しい長い階段を下から映し出す中に立つノーマンのシルエット。少しゾクゾクするけれど素敵だと思う。母の中に自分を投影し、自分の中に母を投影する。何とも不可解な心理世界。2つの人格を意図せず併せ持っているのだろうか...多重人格と妄想の亡き母と自分自身が混在するのだろう...不思議だ。1960年の時点でこの様なサイコ・スリラー作品を作り上げたヒッチコックは天才!(ご本人は全くご自分のことをそうは思っておられなかっただろうが)だと思う。結局、ヒッチコックはこの「サイコ2」を観る事無く他界されてしまったけれど、アンソニー・パーキンスエイズで他界される晩年に再度「サイコ4」に出演されている。役者としてある決定的な拭い去れないイメージや役柄というものが良し悪しは別として、始終付きまとっていたのは間違いない様だ。

イヴ・モンタンイングリッド・バーグマンと共演した「さよならをもう一度」や、ローレン・バコール他、豪華キャストによる「オリエント急行殺人事件」などの印象も強く残っている。あっ「ジキルとハイド」も怖かったなぁ〜。

嘗てアンソニー・パーキンスアンソニー・ホプキンス(この方も凄い!)がごっちゃになっていた時期があったけれど...(苦笑)。なかなかこの様なタイプの俳優さんも居ない。すっかり、大好きなアンソニー・パーキンス

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