『コールガール』 屈折した心の闇を抱く女性ブリー(ジェーン・フォンダ)と警官クルート(ドナルド・サザーランド)監督:アラン・J・パクラ 1971年
★アラン・J・パクラ監督の1971年映画『コールガール』のジェーン・フォンダは好き。原題は『KLUTE』なので、警官のジョン・クルートのこと。クルートを演じるドナルド・サザーランドも渋いです。舞台はニューヨークという大都会。その街でコールガールという仕事をしているブリー・ダニエルスは美しくクールな佇まい。しかしながら、心の闇がヒリヒリする程伝わる。それも実に静かに。ジェーン・フォンダはこの作品で、アカデミー賞主演女優賞を獲得されている。他にも名演は多い大女優ですが、役柄によって好きなものとあまり...というものが。それはまったくの個人的な好みの問題。そんな中でこのブリー役は大好きなのです。
この女性ブリーは元々は女優志願なのだけれど、そううまく事は運ばない。生計のためにコールガールというお仕事に身を置いている。またブリーは精神科医をいくつか掛け持ちしている。謎の手紙や殺人...どうなるのだろうかとミステリーとしても上等。全体を覆っているのは「クール」!大都会で生きる若い女性の孤独感、その女性を監視しながら次第に思いを募らせるクルートの優しさもクールでさり気なくて良い。そして、マイケル・スモールの音楽が格別素晴らしい!その上、ゴードン・ウィリスのカメラワークはとても相性が良く好きなので、私にはかなり印象強い傑作なのです。
ロイ・シャイダーが悪役で登場しますが、上手い脇役が居ると主役がさらに引き立つのだと、またしても再認識。そして、この撮影当時、ジェーン・フォンダとドナルド・サザーランドは私生活でもロマンスの頃なので、クルートのブリーをしっかり見守る優しさや、二人の息の合った中での作品ということも大きいのだろうとも思います。
コールガール/KLUTE
1971年・アメリカ映画
監督・製作:アラン・J・パクラ 脚本:アンディ・ルイス、デイヴ・ルイス 撮影:ゴードン・ウィリス 音楽:マイケル・スモール
出演:ジェーン・フォンダ、ドナルド・サザーランド、ロイ・シャイダー、チャールズ・シオッフィ、ドロシー・トリスタン、リタ・ガム、ネイサン・ジョージ、ロザリンド・キャッシュ、ジーン・ステイプルトン、ヴィヴィアン・ネイザン
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