『素直な悪女』はフランスでは酷評だった

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B.B.ことブリジット・バルドー出世作となった『素直な悪女』は、本国フランスでは当時酷評で、「これはサタンだ!」と検閲官は叫び、興行成績は思わしくなかったそうだ。宗教団体が上映阻止したとも。1956年のロジェ・ヴァディムが妻であったバルドー(当時22歳)を主演に、大胆かつ官能的な描写が問題だったのだろう。今から50年も前の事なのだから。でも、「サタン」とは?!(分かる気もするのだけれど...。)

公開年は1957年。同じ1956年にはフランソワーズ・アルヌール主演の『大運河』も監督。こちらの公開は少し遅れて1959年。ヴァディムの監督デビュー作としても、バルドーならではの魅力(小悪魔、ニンフェットとしての)に溢れた名作のひとつとしても私は好き。この作品で共演したジャン=ルイ・トランティニャンとの恋も有名。名優トランティニャンもまだお若くて、バルドーの魅力の前では存在が希薄にさえ感じてしまう程。

面白いなぁ〜って思うのは、この作品がアメリカでは大好評で、1957年のアメリカでの興行収入は年間ベスト1を記録したという。結果的にはヴァディムは製作費を遥かに上回る収入を得る事が出来たのだ。「そして、神は女を創った」という原題のように、バルドーの存在は賛否両論だったと思うけれど新しい女性、新しいタイプの女優としての大きなポイントとなったのだと思う。