『ドリームチャイルド』 ギャヴィン・ミラー監督 (1985年)

ドリームチャイルド/DREAM CHILD
1985年・イギリス映画
監督:ギャヴィン・ミラー 脚本:デニス・ポッター 撮影:ビリー・ウィリアムズ キャラクター・デザイン:ジム・ヘンソン 音楽:スタンリー・マイヤーズ 出演:イアン・ホルム、コーラル・ブラウン、ニコラ・カウパーピーター・ギャラガージェーン・アッシャーアメリア・シャンクリー、カリス・コーフマン

1932年4月。アリス・ハーグリイヴス夫人は付き添いのルーシーと豪華客船ベレンガリア号に乗っていた。80歳になるこの老婦人は、あの有名なルイス・キャロルが『不思議の国のアリス』を書くきっかけとなったアリス・リデル。彼女は、ルイス・キャロル生誕100年祭の記念行事に出席する為、ニューヨークに向っていた。アリスはルイス・キャロル(チャールズ・ドジソン先生)とのことを思い出していた。時間が戻り1862年。オックスフォードでのあの”金いろの午後”。ドジソン先生は不思議な物語を話してくれた。どもりながらも必死に話すドジソン。 それから一年、ドジソン先生は『不思議の国のアリス』の初版本をアリスに渡し、大人になっても大事に持っていて欲しいと言ったのだった。

現実と夢、そして童話(物語)の世界が交錯する。とても優しく丁寧な描き方に思う。「セサミ・ストリート」の生みの親ジム・ヘンソンの創ったキャラクターたち(グリフォン、亀もどき、眠りネズミ、三月兎、気狂い帽子屋、芋虫)は精巧でいてやや不気味。なので、さらに幻想的な雰囲気になっていると思う。また、長年あたためていたというデニス・ポッターの優れた脚本が先ずあってのことだとも思う。その上、ルイス・キャロルを演じるイアン・ホルムズ(彼はさり気なく大人との会話と子供たちとの会話中の違いを表現している)、メイクですっかり80歳の老婦人になったコーラル・ブラウン、夢の中のアリス役のアメリア・シャンクリーはとっても可愛いし、ニコラ・カウパージェーン・アッシャーといった好きな俳優陣が揃っている。大人も鑑賞し得る心あたたまるファンタジックな物語だと思うのです。

《夢の中の少女アリス/アメリア・シャンクリー:AMELIA SHANKLEY》
不思議の国のアリス』のモデルとなったアリス・リデルが、原作者ルイス・キャロルの生誕百年祭が開かれることになり、付き添いのルーシーと共に豪華客船に乗りニューヨークへ向かう。ジム・ヘンソンマペットによるファンタジックな世界と、少女時代のチャールズ・ドジソン先生との回想と現実が並行して描かれる異色のメルヘン。監督はこの『ドリームチャイルド』がデビュー作のギャヴィン・ミラー。脚本はデニス・ポッター、クリーチャー・デザインはジム・ヘンソン(『ラビリンス 魔王の迷宮』も大好き!)が担当。少女時代のアリス・リデルを演じるアメリア・シャンクリーがとっても可愛らしく、当時のヴィクトリア朝のお洋服、髪の色相やイメージも近く、夢の中の少女アリスにぴったり♪演技派俳優さま方の共演も嬉しく、とてもお気に入りのアリス映画なのです☆

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