『赤い風船』 アルベール・ラモリス監督 (1956年)

cinema-chouchou2008-05-02


赤い風船:LE BALLON ROUGE
 1956年・フランス映画
監督・脚本:アルベール・ラモリス 撮影:エドモン・セシャン 音楽: モーリス・ルルー  出演:パスカル・ラモリス、シュザンヌ・クルーティエ

アルベール・ラモリス監督の『赤い風船』が大好き!台詞はほとんどなく34分程の短編映画なのだけれど、赤い風船の鮮やかな色とモンマルトルの町並み、パスカル少年や街の少年少女たちと大人たち。優れた音楽も伴い見事なまでの詩的なファンタジーの極致!と感動したものだ。

パスカル少年はアルベール・ラモリス監督の実の息子さまで当時5歳だったそうだ。とっても可愛い少年♪パスカル少年は学校の帰り道に街灯に引っ掛かっている赤い風船を見つける。そしてすっかり仲良くなり、赤い風船はパスカルの行くところに何処へでも付いてゆく。学校にも。中には入れない赤い風船は待っている。この映画は1956年のものなので50年以上前なのだ。技術的なことなどさっぱり分からない私はただただ”凄いなあ~!”と想う。空撮の天才と讃えられる監督なのだ。前作の短編映画『白い馬』(1952年)、長編映画の『素晴らしい風船旅行』(1960年)にもこのパスカル・ラモリス君は出演している。監督はこの愛らしいパスカル君を、やさしく幻想的な作品たちの映像と共に永久化したかのよう。この赤い風船は結構大きく、街を行き交う人々も不思議に見つめ、他の少年たちも好奇心いっぱい。でも、この赤い風船はパスカル君にしか付いてはゆかない。癪な少年たちはついに赤い風船を捕らえてしまい石を投げてつけたりする...そして、傷ついた風船は次第に萎んでゆく(少し汗をかいたりもする辺り可愛い♪)のだけれど、町中の風船が怒ってその場にやって来るのだ。そして、たくさんの風船たちに連れられて少年は空を舞い上がってゆく。絵本の中の世界を映像詩で綴ったようにあたたかい☆

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