『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』 キャサリン・ハードウィック監督 (2003年)

サーティーン あの頃欲しかった愛のこと/THIRTEEN    
   2003年・アメリカ/イギリス合作映画
監督:キャサリン・ハードウィック 脚本:キャサリン・ハードウィック、ニッキー・リード 衣装デザイン:シンディ・エヴァンス 音楽:マーク・マザースボウ 出演:ホリー・ハンターエヴァン・レイチェル・ウッド、ニッキー・リード、ジェレミー・シストデボラ・カーラ・アンガー、キップ・パルデュー

『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』は、2003年のアメリカ・イギリス合作映画。キャサリン・ハードウィックの初監督作品。脚本は監督とイーヴィ役で映画デビューのニッキー・リードの共同によるもの。後から知ったのだけれど、このお話はニッキー・リードの体験から描かれた実話のようなもの。実際の体験はニッキー・リードは少女トレイシーであったという。でも、その彼女がトレイシーを演じるには既に経験してしまっている事柄も含めて、今作ではイーヴィ役となったそうだ。トレイシーを演じるエヴァン・レイチェル・ウッドが好きなもので観たのだけれど、その母親役のホリー・ハンターがまたとっても素晴らしかった!この女優様はお歳を重ねる度に好きになっている。エヴァン・レイチェル・ウッドの初めての汚れ役。最初は驚いたけれど、美少女子役から確実に成長されているお姿に感動してしまった。アメリカの13歳...そして、私はどうしても自分のその頃を思い出してしまう。今の日本の13歳の少女たちと私の時代とは違う。また、その頃の私はこの映画の中のトレイシーでもなくイーヴィでもなかった。でも、彼女たちの求める愛や優しさ、ゆらぎの刻、心の虚無感のようなものは感じることができる。男の子たちもそうなのかもしれない。

真面目で清純な少女トレイシーは学校での人気者の少女イーヴィに憧れている。イーヴィは映画スターのジェニファー・ロペスみたいなセクシーなファッションとメイクで、男の子達の視線を釘付けにしている少女。トレイシーは両親の離婚後、母親と兄との3人暮らしで、自作の詩を作っては母に読むのが好きな多感な少女。でも、お部屋に飾ってあるテディ・ベアやバービー人形に嫌気がさし始めるのだった。そして、それまで着ていた清楚なお洋服を脱ぎ捨て、腹部を見せたTシャツやローラインズ・ジーンズ、スパイク・ヒールの靴に興味を示し、ボディ・ピアスや派手なメイクをするようになる。すべては憧れのイーヴィに近づくためのこと。母親の死後、保護者の下に暮らすイーヴィがトレイシーの家に招かれ一緒に生活するようになり、二人は親友の仲になってゆく。そして、18歳と歳を偽り舌にピアスをつけたり、ドラッグにも手を出し、ボーイフレンドも出来る...それでも、彼女たちの心は空虚なのだ。その痛さがヒリヒリする。この映画が名作だとも思わないのだけれど、お気に入りのエヴァン・レイチェル・ウッドホリー・ハンターの母娘の絆や葛藤の姿(母メラリーの恋愛なども含めて)に引き込まれていたようだった。ホリー・ハンター凄い!と再確認していた。

撮影当時14歳のニッキー・リードは、13歳の時にこの脚本に参加している。エヴァン・レイチェル・ウッドは一つ年上なので撮影当時15歳頃。この役柄で遂にゴールデン・グローブ賞にもノミネートされ評価を得て良かった。でも、その後、マリリン・マンソンの彼女となりそのロマンスを伝え聞いた時嫉妬した(当然の如くマリリン・マンソンに!)。でも、幸運なマリリン・マンソンを祝福しよう!まだ恋愛が続いているのかは知らないのだけれど。エヴァン・レイチェル・ウッドは子役時代からサンドラ・ブロックの娘役(ニコール・キッドマン共演の)『プラクティカル・マジック 』、ケヴィン・ベーコンと共演の『ウィズ・ユー』、少し大きくなって『ひみつの番人』(大好き!)、アル・パチーノの娘役の『シモーヌ』、さらに美しさの増す中、ケイト・ブランシェットの娘役の『ミッシング』、ジョーン・アレンの娘役『ママが泣いた日』、エドワード・ノートンと共演の『ダウン・イン・ザ・バレー』、豪華キャストによるコメディ『ハサミを持って突っ走る』...と追いながら、これからも応援するのです☆今、20代に突入した彼女のこれからの作品、演じる役柄をいつまでも観ていたいと思うご贔屓のエヴァン・レイチェル・ウッドちゃん♪

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