『ピンクの豹』 ブレイク・エドワーズ監督 (1963年)
ピンクの豹:THE PINK PANTHER
1963年 アメリカ映画
監督:ブレイク・エドワーズ 撮影:フィリップ・H・ラスロップ 音楽:ヘンリー・マンシーニ
出演:デヴィッド・ニーヴン、ピーター・セラーズ、クラウディア・カルディナーレ、キャプシーヌ、 ロバート・ワグナー、ブレンダ・デ・バンジー、コリン・ゴードン、ジョン・ル・メスリエール
アニメでも有名な、そしてあのヘンリー・マンシーニによるテーマ曲はあまりにも耳に馴染んでいるもの。その「ピンク・パンサー」シリーズの第一弾となるこの「ピンクの豹」を観た。最近、年を重ねたせいか、このように再度観たくなる映画がとても多い。でも、あまり偏見を持たずに新しい作品もハリウッド作品も機会があれば観ている。嘗てはフランスやイタリア等のヨーロッパ映画をかなり依怙贔屓して選んでいたけれど、今はとても広い範囲の作品を楽しめるようになって幸せに思う、今日この頃。
さて、この「ピンクの豹」は実に粋でエレガントなコメディ映画だと思う。怪盗ファントムはいったい誰なのか?...デヴィッド・ニーヴンなのだけれど、最後ではクルーゾー警部がファントムにされてしまうのだ。そして、そのクルーゾー警部はかのピーター・セラーズだけれど、彼のちょっとした仕草や動作がとても繊細で計算されているのかされていないのか?とてもさり気なく巧い!とクスクス笑ってしまうのだった。
私は女優さまに好きなお方が大変多く、このクルーゾーの奥様にしてファントムの愛人という華麗なる悪い女性を演じるのはキャプシーヌ。実に美しい!そして、デヴィッド・ニーヴンの優雅さも。そんな二人がピンチの場面でドタバタする辺りはその華麗さとのギャップであまりにもキュートに思えた。そして、王女役にはクラウディア・カルディナーレ!あの野性的な瞳をくっきりと縁取るアイメイク。でも、まだ若々しくて可愛い王女様だった。こうして観ると、凄い豪華な顔ぶれだと再認識させられる。
ファントムを一目見ようと花束を抱えて押し掛ける女性ファン達。怪盗ファントムは女性に大人気!そんなファントムにされてしまったクルーゾーだけれど、連行される車中では次第にすっかりファントムと言われる事に鼻高々になっていた...可笑しい。こんな調子でクスクス笑える場面がいっぱい。華麗なコメディ映画を愉しんだ。