『めぐりあう時間たち』 スティーヴン・ダルドリー監督 (2002年)

めぐりあう時間たち [DVD]
めぐりあう時間たち:THE HOURS
2002年 アメリカ映画 スティーヴン・ダルドリー監督

出演:ニコール・キッドマンジュリアン・ムーアメリル・ストリープエド・ハリスクレア・デインズ

ニコール・キッドマンヴァージニア・ウルフ役!?...ビックリ!あの冷たく美しいお顔が別人の様だった。つけ鼻を施しての好演だった。最初の頃はあまり好きでは無かったのだけれど、段々好きになって行くお方。(トム・クルーズとお別れしてからの作品達は特に好きなのは何故だろう...)。

シャーロット・ランプリング様の「まぼろし」はここ数年の作品中、最も感動した作品だったけれど、私の中では並んだ様に思う、この「めぐりあう時間たち」。おそらく、ヴァージニア・ウルフが好きなのでって自分でも分かる。

この作品でニコール・キッドマンは主演女優賞(アカデミー)を獲得されて良かった。でも、ジュリアン・ムーアメリル・ストリープエド・ハリスクレア・デインズという素晴らしい存在無くしてはこの作品はここまで私を魅了したとは思えない。複雑なストーリー展開だ。だって、1923年のロンドン、1951年のロス、2001年のN.Y.という時間の流れ。その中で3人の女性達に共通するものは「ダロウェイ夫人」(ヴァージニア・ウルフ著)。難しい構成を2時間弱でまとめているので、何度も観なくてはならなかった。でも、確信的な事はクラリッサ・ダロウェイという女性が好きなのだ!と。

「ダロウェイ夫人」という映画も好き。この中でダロウェイ夫人を演じるのは英国の至宝的女優様のお一人!ヴァネッサ・レッドグレーヴ様だった。そういえば、「オルランド」もヴァージニア・ウルフもので、ティルダ・スウィントンが素晴らしく凛々しかった。ティルダはデレク・ジャーマン作品にも欠かせないお方である。う〜む、やっぱり私はヴァージニア・ウルフ作品がお気に入りなのだ。

それにしても、見終わってとても重い気分になる。映画の感動にも様々。狂気が生と死の狭間で彷徨する...そんな苦悩の中でどの選択をして生きていくのかは、人間独り独り...。