『天使の肌』 ヴァンサン・ペレーズ監督 (2002年)

天使の肌 [DVD]
天使の肌:PEAU D'ANGE
2002年 フランス映画 ヴァンサン・ペレーズ監督

出演:モルガーヌ・モレ、ギョーム・ドパルデュー、ドミニク・ブラン、カリーヌ・シラ、マガリ・ヴォック

タイトルとヴァンサン・ペレーズが監督というので気になって観た。ペレーズは「インドシナ」(カトリーヌ・ドヌーヴも素晴らしい!)や「王妃マルゴ」(イザベル・アジャーニも素晴らしい!)が好きかな?最近はハリウッド作品でも活躍している男優さん。「愛のめぐりあい」ではイレーヌ・ジャコブと共演していた。観る度に頭髪が薄くなっていらっしゃるけれど、何か印象を残す。

この作品はペレーズの奥様のカリーヌ・シラと共同の脚本による初監督作品のようだ。ドミニク・ブランは脇役ながらここでも素敵だった。でも、主役アンジェル役の女の子が素朴で透明感があって可愛かった。初めて知ったお方でモルガーヌ・モレという女優さん。優しい顔立ちと純粋な役柄がピッタリだった。

貧しい生家(田舎町)から家政婦として働きに出る事になるアンジェルが恋をする。たった一夜限りでその男性グレゴワールはその土地からアンジェルに別れも告げずに離れるのだけれど、アンジェルはずっと彼を思い続ける。あまりにも一途でひたむきな恋心。グレゴワール役はギョーム・ドパルデュー(ジェラール・ドパルデューの息子さん)でやっぱり何か大きな鼻とか体型など苦手なのだ。彼は「ポーラX」で有名だろうか。いつもの如く、こんな調子で可愛いアンジェルを眺めていた。天使の様な女性なので最後は天に召されてしまう...。

お話展開よりも、チョコチョコと流れる音楽に嬉しくなるのだった。先ず、レ・リタ・ミツコ!そして、アンジェルも歌うバルバラの「小さなカンタータ」で「わぁ〜!」って嬉しくなった。そして、渋い聴いた事のある男性のお声...アラン・バシュンだったり。そして、最後はバルバラ自身が歌う「小さなカンタータ」で終えるのだった。映画が引き締まる様に感じた。セレクトさせていた挿入歌の趣味が好みに合った事で、ヴァンサン・ペレーズのポイントがアップした気がする。実に単純だけれど。

アンジェルが妻殺しの夫の共犯者として刑務所に送られるのは不当で、そんな事をも受け入れてしまうというか怒りを表さない、常に心の平静さを保つアンジェル...こんな美しい優しい心は悲しみと短い人生だった。でも、彼女のリンゴの髪の香りはグレゴワールの閉ざした心に優しく伝わって行ったようだ。