『ペダル・ドゥース』 ガブリエル・アギヨン監督 (1995年)


ペダル・ドゥース:PEDALE DOUCE
1995年 フランス映画 ガブリエル・アギヨン監督

出演:ファニー・アルダン、パトリック・ティムシット、リシャール・ベリ、ミシェル・ラロック、ジャック・ガンブラン

とても面白い映画を愉しんだ。ファニー・アルダンが出ているので前から観たいと思っていた映画。やっと観る事が出来、それも予想以上に楽しかったので大満足!

ファニー・アルダンを初めて知ったのは「隣の女」。そして「日曜日は待ち遠しい」は封切り前から楽しみで、小さな映画館だったけれどスクリーンで観る事が出来て感激して帰ったものだ。最も最近観たアルダン作品は「永遠のマリア・カラス」。これも最高に素敵だった!この日記を綴り初め、やたらと登場するお名前であるジェレミー・アイアンズとの共演。アイアンズとは「スワンの恋」でも共演されていた。アルダンは実に素敵。今年56歳、まだまだ素敵になられると思う。こんなにお顔の皺が素敵に思えるお方はいない。大きなお口と眼差し、表情、全く衰えないスタイル...うん、とてもカッコイイ女性。

そんなアルダンがここでは、ゲイ・バーのマダム役エヴァ。でも、結婚している夫はゲイのエイドリアン(パトリック・ティムシット)が実にユニークな雰囲気を全編に漂わせている。流石!コメディアン出身のお方だ。そして、アレクサンドル(リシャール・ベリ)はゲイではないのにエヴァに恋をした為ゲイ・バーに出入りするようになり、それを知った奥様のマリー(ミシェル・ラロック)はすっかり勘違いをしてしまう...。そんなすれ違い、勘違いが全く湿っぽくなく描かれている。

普段(昼間)はスーツを着てお仕事もしっかりしているアンドレジャック・ガンブラン)も、実は夜になるとエヴァのお店の常連。あのナヨっとした目とストリップ・シーンの可笑しさ。私は全くと言って良いほど同性愛に偏見が無いと思う。これまでにもそんなお友達が男性にも女性にも居たし、ゲイの男性の方の方が繊細な女らしさを身につけていたり...。この様な映画は賛否両論なのではないだろうか?日本だと。ところが、フランスでは大ヒット!ゲイ・カルチャーがもう文化としてある国は素敵だ。

そんなこの映画のオープニングもエンディングも私の大好きな曲が流れるのだ。それは、ミレーヌ・ファルメール★途中もダリダやヴィレッジ・ピープル...と選曲もそういう文化と関係している。ファションも鮮やかなで楽しかった。子供が欲しいけれど夫がゲイなので無理。そんなエヴァが一夜だけの浮気をアレクサンドルとした事で身篭もってしまう。堕胎を決めるエヴァに猛烈に反対するエイドリアン。二人で育てる事になり、その後もアレクサンドルとの関係も継続される様な不思議な三角関係。

エイドリアンは息子には「絶対に、ゲイにはさせない!」と真顔で言いながら運転。でも、後座席に座るちょっと大きくなった息子は口紅を塗って遊んでいた。そして、エヴァは笑っているのだ。素敵だと思った。そして、マリー役のミシェル・ラロックの「ぼくのバラ色の人生」(大好きな映画)での母親役を思い出したりも。