21グラム

21グラム:21 GRAMS
2003年 アメリカ映画 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督

出演:ショーン・ペンナオミ・ワッツベニチオ・デル・トロシャルロット・ゲンズブールメリッサ・レオ

シャルロットが出ていると知り観なければ!と。そして、とても良かった。しかし、見終えた後の気分はヘヴィだった。テーマが重いのだ。誰もがいつこの様な状況に置かれても不思議ではない。主人公は余命1ヶ月と宣告され心臓移植の手術を受けるショーン・ペン扮するポールだろう。しかし、その妻メアリー役のシャルロット・ゲンズブール、クリスティーナ役のナオミ・ワッツ、ジャック役のベニチオ・デル・トロのそれぞれの心理描写がどれも突き刺さるものがあった。

人が死ぬと21g軽くなる...そうなんだそうだ...しかし、人の心、魂の重さは何と重いものだろう!グラムの問題ではない。そんな人間の命の尊さを強く感じて何とも複雑な感銘を受けたと言えそう。ナオミ・ワッツはいいなぁ〜!とやっぱり思った。「マルホランド・ドライブ」や「アリス」で要チェックな女優様となったのだけれど、「ザ・リング」は勇気が無くて未見のまま...。演技しています!っていう感じのタイプでないから好き。美人だし。同じ様にシャルロットも脇役ながら抑えた演技と存在感がやっぱり良かった。贔屓目いっぱいかもしれないけれど、シャルロットは主演作は勿論だけれど、脇役とか僅かな重要なシーンのみの作品でも確実に強い印象を残す事の出来るお方。出しゃばり過ぎないあのさり気ない存在感は何だろう?って思う。いつまでも子役時代の作品のイメージしか無い方も多いのかも?でも、すっかり「なまいきシャルロット」(大好き!)も親の七光りも飛び越えて、女優シャルロット・ゲンズブールから目が離せない私。

あっ、シャルロット大好き!なので「21グラム」のお話から逸れてしまいそう〜。そう言えば、ベニチオ・デル・トロという役者さんは古谷一行さんに似ている。ブラッド・ピットをダーティーにした様にも見えるし、うじきつよしさんにも少し?どこか東洋人ぽいのかな?以前も何かの映画でそんな事ばかり考えて観ていた。

少し頭が混乱する様な時間軸の交差。この様な描き方が好きな方なので「ううん?えっと...」という感じで読み進めて行く。なので、頭の中で再度整頓するまでに時間が必要。そして、この主要な4人の苦悩と選択をそれぞれ受け止める。それはあまりにも重いものだった。今もまだ考えてしまう。演技派が揃うと大掛かりなものは要らない。アメリカ映画も侮れない。