魅せられて

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魅せられて:STEALING BEAUTY
1996年 イタリア/フランス/イギリス/アメリカ合作映画 ベルナルド・ベルトルッチ監督

出演:リヴ・タイラージェレミー・アイアンズジャン・マレー、シニード・キューザック、ステファニア・サンドレッリレイチェル・ワイズジョセフ・ファインズ

先にサントラを聴いて、映画を観たのは比較的最近。ベルトルッチ監督作品は好きだし、またまた登場の大好きなジェレミー・アイアンズ、シニード・キューザック(アイアンズの実際の奥様)、「暗殺の森」「1900年」以来にベルトルッチ作品に戻って来られたステファニア・サンドレッリ、そして、1940年代から60年代、特にジャン・コクトー映画には欠かせないジャン・マレーという感激の俳優様たち...。しかし、リヴ・タイラーの微妙な年齢に抵抗を感じていたのだ。

この辺り、上手く言えないのだけれど...この18.9歳という辺りのハイティーン。それにしては、どうしてもリヴ・タイラーは早熟に思えるからだった。可愛いし、スラリとした身長に長い手足は瑞々しく柔らかい素材のお衣装などにもピッタリだったけれど...。彼女扮するルーシーに魅せられる人々の心の描写も素晴らしい!感動したことには間違いない。佳かったと思う。

ベルトルッチ監督は15年振りに母国イタリアに戻り製作。そして、そのトスカーナ地方の美しい自然の風景に引きずり込まれそうなくらいだった。行った事などない異国の地に。アメリカ人の少女ルーシーは自殺した母が残した詩を手がかりにイタリアに赴く。知らない父を探すという旅でもあったようだ(この様なテーマはベルトルッチ作品の特徴の一つでもある)。画家のモデルを務めるのだけれど、やっぱりリヴ・タイラーは当時18歳だけれど立派な豊満な胸を見せる...。

そんな可愛いリヴ・タイラーの脇を固める豪華な俳優陣!ジャン・マレーは80歳を過ぎていて、この作品が遺作となってしまった。フランス人の画商役でオーラは失せてはいないと感じた。そして、シニード・キューザックの存在感、そして、白血病で余命僅かな作家アレックス役のジェレミー・アイアンズのあの繊細な内面演技にはやっぱり胸打たれるものがあるのだ。

そして、全編を流れる音楽達は好きなアーティストが多く、お話よりもこれらの豪華さだけでも充分に贅沢な気分の作品だ。最後には思わずじ〜んと涙が溢れてしまう。笑顔のリヴ・タイラーはやっぱり可愛かった!途中、HOLEの曲を聴きながら歌い跳ねるシーンもとても彼女ならでは!という格好良さがあった。好きなシーンの一つ。5年間、ルーシーの事をずっとそっと思い続けていたオスヴァルドも好感の持てる青年だった。そんなふたりが結ばれてアメリカに旅立つという終わり方も良かったと思う。