レッズ

レッズ:REDS
1981年 アメリカ映画 ウォーレン・ビーティ監督

出演:ウォーレン・ビーティ、ダイアン・キートンジャック・ニコルソン、イエジー・コジンスキー、モーリン・ステイプルトン、ニコラス・コスター、ジーン・ハックマン

最近は長い作品ばかりを偶然にも続いて観ていた。なのでまだ頭の中がグルグルしている。この「レッズ」も3時間以上あるもの。ウォーレン・ビーティが監督・主演で「世界をゆるがした十日間」を著した芸術家ジョン・リード(ビーティ)の革命に投じる情熱と、女性解放運動家ルイーズ・ブライアント(ダイアン・キートン)との恋愛、その他の革命家達、20世紀初頭のロシア、アメリカの共産主義者達...そんな大きな時代の変革期を映画を通じて垣間見る事が出来た。当時を知る証言者達の回顧録の様な形も導入されていたのも良かった。

長いので分けて観る事が多かったのだけれど、やっぱり好きなシーンはラスト。幾度と喧嘩、口論を繰り返すけれど離れられないジョンとルイーズ。彼等は夫婦と言えるのだけれど最後まで「同志」だった。とても深い絆!ルイーズの反対を押し切ってフィンランドへ密航者として入国。反共闘のフィンランドで逮捕、列車爆破など痛々しい姿の列車と共にモスクワに着く。出迎える時、そしてその後ニューヨークに帰国する事無く病に伏したジョンを看病する病院内でのあの姿、表情の深さ...ダイアン・キートン流石!という大好きなシーンが続くのだ。女性アナキストかつ女権主義者エマ・ゴールドマン(モーリン・ステイプルトン)、ジョンの友人で劇作家ユージン・オニールジャック・ニコルソン)他、脇を固める俳優陣も豪華だった。

若い頃からどうも好きではなかったウォーレン・ビーティなのだけれど、何か好感が持てる様になってきたのは、この作品を観てからかも知れない。ウォーレン・ビーティがジョン・リードにシンパシーを感じて製作した、そんな熱い情熱をこの作品の中で感じる事が出来た。それにしても、時の残酷さをまた痛感してしまう...そんな映画ばかり最近は観ているのは何故だろう...。