ドッグヴィル

ドッグヴィル:DOGVILLE
2003年 デンマーク映画 ラース・フォン・トリアー監督

出演:ニコール・キッドマンポール・ベタニークロエ・セヴィニーローレン・バコール、ハリエット・アンデルソン、ジャン=マルク・バール、ウド・キアパトリシア・クラークソンステラン・スカルスガルド

二コール・キッドマンがローレン・バコールと共演出来た事をインタビューで喜んでいたのを聞いていた。その映画だと知りお話の予備知識無しで観終えてしまった...約3時間と長い作品だったけれど、退屈ではなかった。考える事が多過ぎて!

面白いセット。出演者たちは同じフロアーにチョーク(?)で仕切られた各家等の空間での撮影。結構楽しく「どうなるのだろう〜」と観ていると何と!ハリエット・アンデルセンも出ておられたし、クロエ・セヴィニーもちょっと久し振りだったので嬉しくなった。ポール・ベタニーウド・キアも!豪華なこのキャスティングも個性を感じ喜んでいた。しかし、だんだんと重苦しい雰囲気と何か不快な気分が充満してゆく様だった。この監督はかの「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のラース・フォン・トリアー監督だったのだ...。今回の主人公の女性(二コール・キッドマン扮するグレイス)はギャングから逃れ見知らぬ村にやって来た。村人達と打ち解けようとするグレイスと、彼女を次第に奴隷の様に、犬の様に各人が接するのだ。首輪まで填められ錘まで付けられる...。

この作品はカフカの「アメリカ」を題材にしているそうだ。そして、ラース・フォン・トリアー監督の「アメリカ三部作」の第一弾となる彼流のアメリカが描かれているようだ。人間の心の醜さや傲慢さ、不条理な世界を見せつけられる様だった。当然、楽しい気分で観れるはずはない。最後はギャングのボス(実はグレイスは娘)がやって来て、グレイスに権力を与える...一匹の犬以外の村人たちは全員殺されてしまった。複雑な心境のグレイスもまた不可解で傲慢な後始末をして村を去っていくのだった。

う〜む?面白さと重厚さでスッキリしない気分の中、素敵な歌声〜♪大好きなデヴィッド・ボウイ様の「ヤング・アメリカン」がエンディング曲だった。お陰で随分この映画のポイントはアップ!印象も良くなったと思う。(ある意味救われた気もした。)

ドッグヴィルの告白」というメイキングの様な作品もあるそうなので、また観てみようと思う。