『ホワイト・オランダー』 ピーター・コズミンスキー監督 (2002年)

ホワイト・オランダー [DVD]
ホワイト・オランダー:WHITE OLEANDER
2002年 アメリカ映画 ピーター・コズミンスキー監督

出演:アリソン・ローマンミシェル・ファイファーレニー・ゼルウィガーロビン・ライト・ペンパトリック・フュジット

ある友人のお薦めで「マッチスティック・メン」を先に観て知ったアリソン・ローマン。可愛い好印象がこの作品で絶対化したかの様。可愛らしさの中にひたむきな眼差し、透明感のある容姿にすっかり魅了されてしまった。ミシェル・ファイファーレニー・ゼルウィガーロビン・ライト・ペンの3人共好きなので、とても贅沢な気もした。でも、この先輩方以上にアリソン・ローマンに魅入ってしまう。不思議な静かな感動が残る。(今後、繰り返し観たくなる作品がまた増えたみたい。)

アリソン・ローマン扮する少女と母親は同じ色の美しいブロンドの髪。母親役はミシェル・ファイファーなのだけれど、このお方はルックスが演技力を翳めてしまう様に思うときがある。でも、この作品では愛人殺しの終身刑の囚人。そして、美しいがとてもエゴイスト!ここがこの映画のタイトルと関係していると後で分かった。白い夾竹桃はとても美しいけれど毒素が強いそうだ。そんな役を見事に演じていると思った。気品のある役柄の方が好きだけれど、ミシェル・ファイファー素晴しい!と再認識できた。何故、まだオスカー貰えないのだろう・・・(ジュリア・ロバーツでも貰ってるのに...なんて疑問をいつも抱く。*ジュリア・ロバーツのファンの方お許し下さい。)

先日のラスムス君とはまた状況も年齢も違うけれど、ここでもまた里親探しの問題が出てくる。この15歳の少女アストリッド(実際のアリソンは当時21歳くらい)は生まれた時から父を知らない。母の言われるがままに育ち、その教えが障害となることも...。そして、生まれ持った美しい容姿と純粋な心は嫉妬の的ともなる。里親を転々とする生活の中で、彼女の雰囲気も変化していく。そういう表面的な所と共に内面の葛藤・苦悩ぶりを静かに優しく表現していると私は感じた。アリソン・ローマンの新作が早く観たい!今後もとっても楽しみなお方がまたお一人。

作品毎に色んな役を演じられるレニー・ゼルウィガーも流石〜!という2番目の優しい里親を演じていた。このピーター・コズミンスキー監督の作品は「嵐が丘」に続いてまだ2つしか知らないけれど、何か相性の良さを感じる。

アストリッドがある日、施設の同世代の女の子に不当な意地悪をされ喧嘩となり、その後鏡を見ながら美しい髪をナイフでバサっと切るシーンが何故か忘れられない・・・。