『素晴らしき哉、人生!』 フランク・キャプラ監督 (1946年)

素晴らしき哉、人生〈特別版〉 [DVD]
素晴らしき哉、人生!:IT'S A WONDERFUL LIFE
1946年 アメリカ映画 
監督:フランク・キャプラ
出演:ジェームズ・スチュワートドナ・リード、ライオネル・バリモア、トーマス・ミッチェル

今月半ばは自分では根明な性格だと思っている私ながら、かなり凹んでしまっていた。風邪が弱い胃腸にもやって来て不調だったこと、その他色々重なっていた。でも、誰でもそんな事はあるのだし、自分で解決するしかない。心って不思議・・・。

そんな気分のクリスマス・イヴ。今年は大阪も雪が降ったりとても白い冬を迎えているのだと思えて嬉しかった。TVでもクリスマス映画が各局でセレクトされていた。私はこの「素晴らしき哉、人生!」を観る事にした。やっぱり最後はほっこりとした涙に溢れ気分が良かった。

この映画はジェームズ・スチュワート主演の1946年のモノクロ映画。信じられないけれど60年も前の作品なのだ。今のハリウッド映画にはない優しさを感じてならない。私にとって最高の娯楽だと思っている「映画」。映画の発祥の地はアメリカだろうけれど、生まれたのはフランス(だと思っている)。好きな監督・俳優さんが出ているとどんな悪評でも機会があれば観てしまう。そんな私なのでハリウッド映画ってアンチだったのだ、特に10代の頃は。オードリーもリズもみんなアメリカ人だと思っていたし、大きな偏見をアメリカ映画に持っていた。今ではそんな自分が青く愚かに思える。相変わらず欧州ファンではあるけれど、観て良かったと思えるものに国やジャンルは関係ない。

この「素晴らしき哉、人生!」の主人公ジョージは、大金の横領の疑いを受ける。それまでも幾度も挫折感の人生だった。でも遂に絶望の果てに身投げを考える程になってしまう。そんな瞬間に2級天使が登場する。そう、この愛らしい2級天使は2級なので翼がない。善行により格上げされるらしく、守護天使である使命(と翼が欲しいとう目的も)からそんなジョージを救おうとする。ジョージは「自分なんか生まれて来なければ良かったんだ。」と嘆き泣くばかりで、この天使の存在も言葉も信じない。それならば!と天使はジョージが存在しない世界に変えてしまう。すると、奥さんも子供も友人たちも建物も・・・ジョージを知らない、そんな世界を見せられ生きる事を神に縋る。行方不明になっていた夫を必死で探し回る妻や可愛い子供達、裕福ではないけれど暖かい家庭があり友人たちがいる。ジョージに逮捕状まで出ていたので、そんな彼を助ける為に友人や近所の人々が少しずつ募金してくれ奇跡が起こる。警官も逮捕状を破棄しみんなで合唱するラスト。クリスマス・ツリーのベルがさり気なく音を鳴らす。あの2級天使に翼が貰えた合図なのだ・・・こんなお話、好き!

好き嫌いは観てから感じればいいのだと思う。観て良かったと思う映画しかこの日記には書いていないみたい...。タイトルも失念してしまったくらい面白くない映画も観たりもする。何だったかなぁ〜?何故観たかというとジャン=ユーグ・アングラードの名が載っていたから。でも、主役でもなく苦手な大味なアクションものだった。でも、2.3番目位に重要な役(たぶん刑事)だったと思えるジャン=ユーグ・アングラードは、主役の体格の良いお方(思い出せないけれど有名なお方)よりずっと素敵にひ弱だったので彼ばかり観ていた。内容も覚えていないけれど観なければ良かったとも思わない...欲張りなのだろう、きっと。