ナイト・オン・ザ・プラネット

ナイト・オン・ザ・プラネット:NIGHT ON EARTH
1991年 アメリカ映画 ジム・ジャームッシュ監督

出演:ウィノナ・ライダージーナ・ローランズアーミン・ミューラー=スタールロベルト・ベニーニ、ベアトリス・ダル、マッティ・ペロンパー、ジャンカルロ・エスポジート
音楽:トム・ウェイツ

また大笑い!ビデオを持っているのだけれどTVで久々の遭遇。ジム・ジャームッシュ監督作品を最初に観たのは「ストレンジャー・ザン・パラダイス」。ミーハーなのでここでもカッコイイ!ジョン・ルーリーがお目当てだった。元々、ニューヨークの音楽も好きなので、アート・リンゼイ達と共に在籍していたラウンジ・リザーズから知っていたお方。ジャームッシュ作品から役者としても名が知られる様になったのではないだろうか。

この5話からなるオムニバス形式の「ナイト・オン・ザ・プラネット」はジャームッシュ作品だという事と、ウィノナ・ライダー(特に二十歳前後辺りのウィノナは活き活きしていて好き!)が出演しているというので楽しみに観たものだった。

でも、久々に観て、やっぱり好きなお話は2話。とっても愉快!ドイツの名優アーミン・ミューラー=スタールは流石にいい雰囲気をさり気なく醸し出していた。乗車拒否ばかりされていたヨーヨーがやっと乗れたタクシーなのだけれど、運転手のヘルムートは運転も不慣れで英語も覚えたてのニューヨークで働いている中年のおじさん。ヨーヨーも「ヘルムート」の響きがピンと来ないので「ヘルメット」と思い込みゲラゲラ笑う。最後まで彼はヘルメットと言っていた。乗客が運転して行くのも可笑しいし、帰り道が不安ながらも夜の景色を見つめてヘルムートは楽しそうでもあった。

ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキという五箇所が舞台、それぞれ楽しい。ベニーニの4話も好きだけれど5話も。これまた、フィンランドの演技派マッティ・ペロンパーがいい感じ。ペロンパーというとアキ・カウリスマキ作品の常連だけれど「愛しのタチアナ」が遺作だろうか・・・他界されてしまった。ジャームッシュはキャスティング・センスも良い!そして、今ではファミリー的存在のベニーニも監督としても評価されているし、御大トム・ウェイツも今作では音楽担当。彼が出ていたらもっと笑ったと思う。音楽家としてのトム・ウェイツも当然素晴しいのだけれど、私はちょこちょこ色んな作品でトム・ウェイツが現れると嬉しくてたまらない。だって、あのまんま!なので。「ランブルフィッシュ」は役者として初期の出演作のようだ。これも、また観たい気分。

ジャームッシュは2005年のカンヌでグランプリ(パルム・ドールダルデンヌ兄弟だった)を受賞。ヨーロッパでの評価が高い監督。それも何となく納得できる気がする。余談ながら、今年のカンヌ映画祭をTVで観ていたのだけれど、クローネンバーグ監督のカッコ良さ!にドキドキした。私の脳内美中年系譜の中で一際ヒリヒリとした存在のお方だったりもする。わぁ、楽しい〜♪