『ヴェニスの商人』 マイケル・ラドフォード監督 原作:シェイクスピア (2004年)

ヴェニスの商人 [DVD]
ヴェニスの商人:THE MERCHANT OF VENICE
2004年 アメリカ/イタリア/ルクセンブルグ/イギリス合作映画 マイケル・ラドフォード監督

出演:アル・パチーノジェレミー・アイアンズジョセフ・ファインズリン・コリンズ、ズレイカ・ロビンソン、クリス・マーシャル、チャーリー・コックス

5/17に映画館に駆け込んだ。これは是非とも映画館で観たいと思っていたのだけれど、予想よりも上映期間は短く諦めていた。ところが、アンコール上映!と教えて頂き観る事が出来て良かった。予想よりも・・・って書いたけれど、こんな世情なのかとも思う。信じられない事だけれど、アル・パチーノを知らない人達も多いとか?そうであれば、さらにお気に入りの私の大好きなジェレミー・アイアンズを知らない人はもっと多いのだなぁ...って思う。お二人ともオスカー俳優さまで、アイアンズは舞台を今も続けている。そんな功績から「シェイクスピア賞」受賞者なのだ。監督がシャイロックアル・パチーノ、アントーニオにはジェレミー・アイアンズ!と最初から決めていたそうだ。対照的な俳優。雰囲気もだけれど演技法も対照的だから。

シェイクスピアの映画化は多い。もう400年も前に書かれたものたちが今も各国で色んな解釈で映画化、舞台化され続けている。凄いなぁ〜!と思う。この16世紀のお話を今日的に、シャイロックを中心に描かれている。原作でのユーモアが悲哀に覆われていた。それでも良かった。アル・パチーノの存在感は圧倒的。本当に素晴らしい役者さま。でも、私はアイアンズのアル・パチーノには表現出来ないあの佇まい、あの空間に居るだけで、台詞を語らずとも漂わせるあの憂愁の美にうっとりしてしまう。ジョセフ・ファインズ扮するバッサニーオも、ポーシャ役の初めて見たリン・コリンズという女優さんもそれなりに良かったと思う。ヴェニスの美しい光景と流れる音楽も清らかで素敵だった。最近、レンタル屋さんに行っていないのだけれど、もう新作に並んでいるそうだ。また、観たい。

シェイクスピアの国の代表の様なアイアンズも、もう50代後半。相変わらず美しい姿勢とスラリとした長身、憂いのあるあの表情は健在だった。もうすぐ「カサノバ」も公開される。その中では神父役。これも楽しみなところ。アル・パチーノはある種のヒーロー像を持つお方なので、古くからのファンの方々もとても多い。私も好き。でも、アイアンズのことばかりをまだまだ書きそうなのでこの辺にしておこうと思う。

そうそう、今年のカンヌ国際映画祭パルムドールは英国の社会派監督ケン・ローチだった!とても嬉しかったので、その作品も来年位には日本にもやって来るのかなぁ。映画祭はやっぱりカンヌが大好き!今年はアメリカの作品がほとんど出品されていなかった。ソフィア・コッポラの「マリー・アントワネット」はブーイングも起こったそうだ。「ダ・ヴィンチ・コード」も・・・賛否両論というのも興味がある。キルステン・ダンストマリー・アントワネット役で可愛いかった(一部流れただけだけれど)。そして、音楽はニュー・オーダーが使われていた。このミスマッチ感、ソフィア・コッポラの若いガーリー感覚...好き嫌いの分かれるところかも?私は好きだけれど。そう!マリアンヌ・フェイスフルも出演されているそうだ。カンヌでブーイングは可哀想だけれど、私は楽しみ。宣伝・広告、評論はとても有り難い。でも、参考にさせて頂いてやっぱりそれぞれの目で観て色んな感想が生まれる、そんなのがいい。私の最良の娯楽はだからやめられない。