ジャン=クロード・ブリアリ:JEAN=CLAUDE BRIALY

ジャン=クロード・ブリアリ:JEAN=CLAUDE BRIALY
生年月日:1930年3月30日 牡羊座 アルジェリア・オマール生まれ 没年:2007年5月30日

陸軍大佐であった父に連れられ、赴任地を転々としながらの少年時代。大学では哲学を専攻しながら、ストラスブールのコンセルバトワールで演劇の勉強をする。その後、陸軍に入隊し、軍の映画部で、フィリップ・ド・ブロカ監督やカメラマンのピエール・ロム等と知り合い、芝居熱が沸騰しパリへ出向く。そして、1956年に映画デビュー。ヌーヴェル・ヴァーグ作品には欠かせない存在のお方。病に侵されても最期までお仕事をされていた(最晩年は未公開が多い)。主役も準主役も脇役も、ブリアリが登場すると引き締まるというのかカッコイイのだ。ゴダールやシャブロル監督は口を揃えて「彼に任せておけば安心だ。」と仰っていたという。また、アラン・ドロンも何かあれば、すぐにブリアリに相談に行ったそうだ。映画人、仲間から信望の熱いお方だったことが窺える。

最初に知ったのはトリュフォー監督の『黒衣の花嫁』。ジャンヌ・モローを知った作品で、私はブリアリも知ることができた。公開作品などを挙げてみると観た作品は約8割程度だろうか。まだ未見ものが色々あるので観たいし、未公開作品も多数。60年代映画ながら、長い間公開されずにいたピエール・コラルニック監督、セルジュ・ゲンスブールが音楽担当(ミシェル・コロンビエも)とちょっと出演もしている『アンナ』の公開も記憶に新しく、私は映画を拝見する前に既にそのサントラをよくイベント等で使わせて頂いたものだ。セルジュ大好きな上、アンナ・カリーナが主役、そして、役名セルジュに扮していたのはブリアリだった。そして、歌声も素敵♪大好きなカルト映画なので、また作品についても綴ってゆく予定。ブリアリが公の場に姿を現した最後は4/19のジャン=ピエール・カッセル(ヴァンサン・カッセルのお父様)の葬儀の日だったそうだ。ご自分の死の一ヶ月程前のこと。御辛かっただろうと思う、お身体も精神的にも。それでも駆けつけないではいられない、そんな心意気があのお姿からも感じることができる。素敵なお方です。私は残された作品たちをこれからも再見を繰り返すだろうし、ジャン=クロード・ブリアリというフランスの名優を忘れることはないと思う。まだ実感もないけれど、兎に角好きだった...。でしゃばる様な演技をしない。そして、自らゲイであることを公認されていたお方でもある。意外とこのことは触れられないけれど、感覚だろうか?その様に感じていたので知った時は嬉しかった(という表現も変だけれど、そうだろうなぁ...という香りが当たっていたので)。5/31の葬儀には多くの映画人や友人が駆けつけたその記事をちらっと拝見し悲しくなった。特にジャンヌ・モローのお言葉は胸が締め付けられるように感じてしまった...。
ご冥福をお祈りいたします。

パリ・5月31日のブリアリの葬儀にて。
ジャンヌ・モロー
「ジャン=クロード・ブリアリは、私にとって弟のような存在でした。私よりも先に旅立ってしまった...悲しみでいっぱいです。彼のことを、もう、この世にいない人として話すのは、辛く耐え難い思いです。」

クロード・ルルーシュ監督)
「ジャン・クロードは、自分の仕事をよくわかっていました。あらゆるものごとに関心を持っていました。好奇心旺盛で、とても魅力に溢れた人でした。」

(ロベール・オッセン)
「彼の死の知らせに私は打ちのめされました。彼は本当に特別な人でした。とてもあたたかで素敵な人、同時に高いプロ意識を持った人でした。」

◆代表作◆ 
青い自転車 (2000)
モンテ・クリスト伯 (1998)
恋人たちのポートレート (1996)
ボーマルシェ/フィガロの誕生 (1996)
フランスの女 (1995)
王妃マルゴ (1994)
百一夜 (1994)
ロベルト・ベニーニのMr.モンスター (1994)
恋の病い (1987)
大迷惑 (1987)
マーシェンカ (1987)
ザ・クライム/陰謀の罠 (1986)
なまいきシャルロット (1985)
トリエステから来た女 (1983)
サイキックゾーン (1982)
愛と哀しみのボレロ (1981)
カンヌ映画通り (1981)
華麗なる女銀行家 (1980)
2人のロベール/花嫁募集中 (1978)
脱獄の報酬 (1976)
ロッコ (1976)
判事と殺人者 (1976)
麗しのカトリーヌ (1975)
自由の幻想 (1974)
ロミー・シュナイダーの情事 (1973) 監督
殺人代理人 (1972)
小さな約束 (1972) 監督・脚本
ランボー/地獄の季節 (1971)
クレールの膝 (1970)
キャサリン大帝 (1968)
黒衣の花嫁 (1968)
愛すべき女・女(め・め)たち (1967)
奇襲戦隊 (1967)
奇想天外・泥棒大作戦 (1967)
恋のマノン (1967)
まぼろしの市街戦 (1967)
アンナ (1966)
私は彼女をよく知っていた (1965)
男を追って (1964)
ピストン野郎 (1964)
輪舞 (1964)
いっちょう頂き (1963)
俺は知らない (1963)
7つの大罪 (1962)
スエーデンの城 (1962)
火刑の部屋 (1962)
フランス式十戒 (1962)
女は女である (1961)
5時から7時までのクレオ (1961)
素晴らしき恋人たち (1961)
ダンディ (1961)
ヒッチ・ガール (1961)
いとこ同志 (1959)
いまだ見ぬひと (1959)
大人は判ってくれない (1959)
学生たちの道 (1959)
狂った夜 (1959)
男の子の名前はみんなパトリックっていうの (1959)
恋ひとすじに (1958)
水の話/プチ・シネマ・バザール (1957〜1989)
死刑台のエレベーター (1957)
美しきセルジュ (1957)
恋多き女 (1956)
王手飛車取り (1956)


5/31の葬儀でのアラン・ドロン。どんなに心痛だっただろうと想う。カンヌ映画祭からすぐ後のこと。
ロミーの没後30年の年に兄貴分のような存在まで...。