『猫が行方不明』 セドリック・クラピッシュ監督 (1996年)

セドリック・クラピッシュ監督作品はとても親近感を覚えるというのか、フランスだけれど日本の日常の中で共感できることが多く、シンプルでユーモアがあって好き。この『猫が行方不明』はクラピッシュ作品で最も人気があるように思う。私の友人たちにも猫ちゃん好きな方は多く(わんちゃん好きも♪)この映画の行方不明になる黒猫のグリグリ(主役のギャランス・クラヴェルが実際に飼っていたアラピムという本名)に似たお名前の猫ちゃんを思い出す映画でもあり楽しい。ランボーという猫ちゃんも出てくる。主役のクロエ(このお名前はボリス・ヴィアンの『日々の泡』の主人公の名!)が同居していたゲイの青年ミシェル役のオリヴィエ・ピィやジャメル役のジヌディーヌ・スアレムは、他のクラピッシュ作品でもお馴染み。この映画の半分位は素人の方々が出演していて、バスティーユの街や人々、90年代の空気が自然と満喫できるようで愉快。

預けたグリグリが行方不明になり探す過程と、クロエのロマンスも同時進行しながら進んでゆく。このクロエ役のギャランス・クラヴェルってとても可愛いお方なので要チェック!と思っているのに、なかなか日本公開作品が無くて残念(こういうこと、よく言ってる気がする)。時々寂しげな表情とかとても好き♪そして、もう一人のこの映画の主役のようなお方!マダム・ルネ役のルネ・ル・カルムがチャーミングで面白くて素敵なのだ。ご老人と若者との交流を描いたものも好き。フランス映画ならではの都会のクールさ、孤独さと共に、どこか人情的なものも伝わる秀作に思う。そして、ロマン・デュリスは此処ではドラマー役の音楽青年を演じているけれど、全編を流れる音楽も素敵♪オープニングはジャズ・ファンクな曲で、途中にはドビュッシーショパンのクラシック、シャンソンやラテン・ナンバー、そして、ラストは英国のポーティスヘッドの名曲で終える!!私はどうもエンディング曲でさらに好きになるパターンが多いようにこうして綴っていると感じる...皆様はどうなのだろう...色んな映画の楽しみ方があるのでそれぞれなのだろうな☆

猫が行方不明:CHACUN CHERCHE SON CHAT
(1996年・フランス映画)
監督:セドリック・クラピッシュ 出演:ギャランス・クラヴェル、ジヌディーヌ・スアレム、オリヴィエ・ピィ、ルネ・ル・カルム、ロマン・デュリス、アラピム