『エンテベの勝利』 マーヴィン・J・チョムスキー監督 (1976年)

エンテベの勝利:VICTORY AT ENTEBBE
1976年・アメリカ映画
監督:マーヴィン・J・チョムスキー 出演:ヘルムート・バーガー、ヘレン・ヘイズ、デヴィッド・グロー、リンダ・ブレア、クリスチャン・マルカン、バート・ランカスターアンソニー・ホプキンスカーク・ダグラスエリザベス・テイラーリチャード・ドレイファス、ビビ・ベッシュ、ジェシカ・ウォルター
昨夜、観た映画。とっても久しぶりの再見で2度目。そもそも、男騒ぎする類のもの(アクション系は苦手)なら耽美な世界や歴史劇(コスチューム好きなので)を好む私。どうも、戦争ものや西部劇は名作でも未見ものが多数ある。この『エンテベの勝利』を初めて観た理由は、ヘルムート・バーガーさまが出演されていると知り、随分前に観たけれどあまり出番も多くなく...。

<このハイジャック事件の概要>

1976年6月27日、ギリシアアテネ国際空港を離陸したフランス、パリ行きのエールフランス139便(エアバスA300)はハイジャックされ、リビアベンガジにあるベニナ空港から結局ウガンダエンテベ国際空港に強制着陸させられた。ハイジャック犯は8名のパレスチナ解放人民戦線および2名のバーダー・マインホフのメンバーであった。彼らは親アラブのウガンダ大統領イディ・アミンの援護を受けていた。(Wikipediaより)

年月の経過は怖ろしい!とんでもない豪華キャスト映画だった☆バート・ランカスターが出ているのは覚えていた。だって、『家族の肖像』のお二人なので♪ところが、ここでの共演シーンは無くて残念だった。再見し、驚いたことがいくつかある。この実際に起きたハイジャック事件と同じ年に(日本公開も同年ながら、アラブ側からの上映中止の抗議があったそうだ)製作された作品だということ。こんな豪華キャストで短時間で作られたのかと思うと凄いと思い、同時になにか勿体無い気もした...。古い映画のため、チープな感じもしたけれど、考えさせられることはあった。やっぱり、ここでもユダヤ人の問題が重要なので私の気になるところ。パレスチナ解放人民戦争は終えたとはいえ、今もイスラエルでは囚人や虐殺が続いてる。まだ終えたことではない。嘗て、日本赤軍日航機ハイジャックの事件があり、子供だったけれどそのニュースは少し覚えている(特番などもその後もあったからだろうか)。

もう一つ驚いたことは、オープニングの主要キャストのトップに、《ヘルムート・バーガー》と出てくるのだ!凄い〜♪と思わず誇らしげに思ったりしたのだけれど、ハイジャック犯の首謀者のドイツ人役で最後は死んでしまうし、あまり大写しのシーンは多くない。でも、あの甘くも怪しいやや病的なお声が”私も怖いのです。錯乱しています...”と機長室からアナウンスする時の感じは大好き!でも、凄みというか怖さの点では同グループのドイツ人女性役のビビ・ベッシュの方が(お二人共にオーストリア人ですが)!あと、リンダ・ブレアが居たので『エアポート'75』を思い出したりした。一人の戦死兵役がリチャード・ドレイファスだったり、首相役のアンソニー・ホプキンスがお若く、バート・ランカスターの上司役だったり、リズ・テイラーもリンダ・ブレアの母親役で登場するので、あっ!と『別離』を思い出したりもした。

少しの犠牲者は出たけれど、この奇襲作戦の成功で残されたイスラエル人、ユダヤ人の人達の命が救われて良かったと思った。詳しい作戦は機密事項なのだろうから明かされていないと最後に活字で出ていた。でも、こうして、映画で歴史を知ることができる、映画から多くのことを教えて頂きながら愉しんでいるのだと思うと映画がさらに好きになる!