『若草の祈り』 ライオネル・ジェフリーズ監督 原作:エディス・ネズビット『鉄道の子供たち』 (1970年)

cinema-chouchou2008-04-29


若草の祈り/THE RAILWAY CHILDREN
  1970年・イギリス映画
監督・脚本:ライオネル・ジェフリーズ 撮影:アーサー・イベットソン 音楽:ジョニー・ダグラス 出演:ダイアナ・シェリダン、バーナード・クリビンス、ジェニー・アガター、サリー・トムセット、ゲイリー・ワレン、イアン・カスバートソン

エディス・ネズビット原作の『鉄道の子供たち』あるいは『若草の祈り』を、俳優でもあるライオネル・ジェフリーズが脚本・監督を務めた1970年の英国映画。ヨークシャー(ブロンテ姉妹でも有名な場所)を舞台に両親と3人の姉妹(姉弟)、そしてもうひとりの主役はSL(蒸気機関車)!鉄道が開通した時の人々の歓喜はどんなだったろう!!私達は今ごく当たり前のように鉄道、電車を利用している。時々大阪駅に今でも鉄道マニアの少年たちの姿を見かけることがある。彼らは微笑みワクワクしながらカメラに撮るのだ。私は全く鉄道に関することを知らない。この作品の中で懐かしいのであろう機関車が幾度も登場する度に、子供たちはハンカチを振って大喜び!

時代は1900年代初頭。ある一家が不幸に見舞われる。父親(バーナード・クリビンス)がスパイ容疑で連行されてしまう。残された母親(ダイアナ・シェリダン)は常に毅然としている。15歳の長女ボビー(ジェニー・アガター)、12歳の次女フィリス(サリー・トムセット)、10歳の弟のピーター(ゲイリー・ワレン)の3人の子供たちは、一切父親のスパイ容疑のお話を口にせず、一生懸命夜も働いている母の姿(一人の時には泣いている)をじっと見守りながら、明るく健気に過ごしている。結局はぬれ衣を着せられた父は家族の元へ戻ってくるのだけれど、それまでに過労から母は病に倒れ、子供たちは一生懸命支える。そして、家族に力を貸してくれる人々...いいなあ。人々と機関車が生活の中で優しく密着していた時代なのだ。今、私は単なる交通手段として当たり前のように利用しているのだから。この英国児童文学の名作と同じ名を持つ英国ネオ・アコースティックギターポップ)バンドも想い出す(1stアルバムが好き♪)。

関連:『若草の祈り』(ライオネル・ジェフリーズ監督) 原作:エディス・ネズビット『鉄道の子供たち』 : クララの森・少女愛惜