『プラハ!』 フィリプ・レンチ監督 (2001年)

cinema-chouchou2008-07-29


プラハ!/Rebelové
2001年・チェコ映画
監督:フィリプ・レンチ 脚本:フィリプ・レンチ、ズデネク・ゼレンカ 撮影:マルタン・セク 音楽:ヤン・カルーセク 出演:ズザナ・ノリソヴァー、アンナ・ヴェセラー、アルジュヴェタ・スタンコヴァー、ヤン・レーヴァイ、、ルボシュ・コステルニー、ヤロミール・ノセク、マルタン・クバチャーク

フィリプ・レンチ監督の『プラハ!』(2001年作品ながら日本公開されたのは2006年なので記憶に新しい)はチラシを頂いた時からトキメクものだった。高校卒業間近のテレザ、ユルチャ、ブギナの仲良しの少女たちや同級の男の子たち。舞台は1968年の”プラハの春”である。キュートな3人の女の子の中でも主役のテレザ役のズザナ・ノリソヴァーは美人でスラリとして脚の長いお方。終始映像はカラフルでポップ!60年代を再現したファッション・美術・振り付け・音楽はとてもドリーミー♪「花のサンフランシスコ」「恋のダウンタウン」「シュガータウンは恋の町」「花はどこへ行ったの」...と名曲たちが流れるミュージカル仕立ての青春映画といった作風のもの。

フィリプ・レンチ監督のお名前は初めて知ったもの。しかし、大好きな1966年のチェコスロヴァキア映画『ひなぎく』(まだ綴っていないので近い内に)の監督であるヴェラ・ヒティロヴァの教えを受けたお方なのだそうだ。全編を彩る鮮やかで軽やかなレトロ感やキュビズム・デザインと甘い恋物語なのだけれど、彼女たちが恋をするのは脱走兵の青年シモン、エマン、ボブだった。そして、時代はかの”プラハの春”なのでソ連・東欧軍による侵攻が近づいて来る。脱走兵の青年たちは夢みるアメリカへと貨車に乗る。けれど、シモンだけは”さよならも言えずに行けない。ぼくは残る。”とテレザの父親の経営するレストランで彼女を待つことにするのだけれど...。最後はとても甘酸っぱく切ない。でもジメジメした余韻ではない愉しい作品に想う。しかし、60年代のカラー、色の訴えかけてくる力のようなものを初めて感じたのはジャン=リュック・ゴダールだった。リバイバル体験ながらその衝撃は忘れられない!なので、素敵に60年代を再現しても、やはりその時代の空気感の再現は不可能なのだとまた痛感したようにも想う☆

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