『から騒ぎ』 ケネス・ブラナー監督 原作:ウィリアム・シェイクスピア (1993年)

から騒ぎ:MUCH ADO ABOUT NOTHING
1993年・アメリカ映画(イギリス映画) 
監督:ケネス・ブラナー 出演:ケネス・ブラナーエマ・トンプソンデンゼル・ワシントンロバート・ショーン・レナードケイト・ベッキンセイルキアヌ・リーヴス、リチャード・ブライアーズ、マイケル・キートンアレックス・ロー、ブライアン・ブレッスド

大好きな作品ばかり書いてるので、”大好き!”と連呼し続ける私。でも、仕方ない。色んな作風があり比較など出来ないのだから。この『から騒ぎ』も毎年のように繰り返し観てしまう。そして、泣き笑いの感動はまだ飽きない。以前、『映画大好き!Cinema Chouchou』で書かせて頂いたので、あまり重複しないように。

ケネス・ブラナーを知ったのは『ひと月の夏』が最初。でも、お目当てはコリン・ファースの方だったのだ。それから少ししてだろうか、既にファンになっていたジェレミー・アイアンズのインタビューで、”今注目している英国の若い役者は?”というような中で、”ケネス・ブラナーとダニエル・デイ=ルイスだよ。”と絶賛されていた。ダニエル・デイ=ルイスはお美しいのでその時点でチェック済みだったのだけれど、アイアンズがとてもケネス・ブラナーの事も評価していて好きだというので気にするようになったという、いつもの単純なきっかけ。

英国の優れた役者様は先ず映画の前に舞台。ジェレミー・アイアンズは大物なのに今でも映画と舞台の両方を続けておられる。メリル・ストリープが”英国の役者には敵わないわ。だって、シェイクスピアの台詞を空で言えるのですから。”と仰っていた。シェイクスピアの国だし、ローレンス・オリヴィエもみんな舞台俳優としても名優。私もシェイクスピアは熱狂的ではないけれど、やっぱり好きで時折ソネット集を読んだりして気分が良くなる。『から騒ぎ』は監督・脚本・主演とケネス・ブラナーが担当。心からシェイクスピアを愛しているのだと伝わる。なので、原作の『空騒ぎ』を彼流の脚本で現代人の私達に伝わり易い感覚で描いている。美しいイタリアの景色、そして村の日に焼けた女性たちの生き生きした感じ、美麗な音楽と全てに於いて好き。もう何十回も観ていて、もうすぐ全部の台詞を覚えそうなくらい。歌は覚えてしまった♪

ケネス・ブラナーの当時の奥様であったエマ・トンプソンも上手く素敵な女優さま。そして、まだ初々しく可愛らしい頃のケイト・ベッキンセイルロバート・ショーン・レナード(彼はアメリカ人ながらシェイクスピア舞台の経験もある好青年なので、このクローディオ役もピッタリだと思う)、デンゼル・ワシントン....と私の好きな役者様がいっぱいの豪華キャスト!アメリカ映画となっているみたいだけれど、私の中ではイギリス映画という感じ。最後はハッピー・エンドで爽やかな感動。シェイクスピア悲劇も好きだけれど、このような喜劇もとても好き。ロマンティック・コメディ♪ケネス・ブラナーは役者としても監督としても才能に長けたお方。最近は「ルーズベルト」を演じていたのも良かった。もう一度、また観ようと思っているところ。<2005年5月6日の日記 『映画大好き!Cinema ChouChou』>
ここ数ヶ月、何度も観ている「から騒ぎ」。とっても面白いのでついつい観てしまう。ケネス・ブラナーお得意のシェイクスピアもの。ブラナーが監督・脚本・主演、そして、この製作当時は奥様でもあったエマ・トンプソンが夫婦共演なのも愉快。でも、今は離婚されたので複雑な気もする。そんな野次馬的な見方もお許し頂こう〜。まだ可憐な頃のケイト・ベッキンセイル扮するヒーローが実に爽やかで素敵。でも、「アンダーワールド」ではマイケル・シーンと共演しながら監督と結婚してしまうので、夫婦やカップル共演って、映像がいつまでも残るので複雑な気持ちになるものだ。

陽に焼けた女性達が活き活きしていて、演技派エマ・トンプソンも実に魅力的な知的で陽気な(やや高慢な)ベアトリス役が素晴らしい。そして、ブラナー扮するベネディックも喧嘩ばかりしているベアトリスと遂に結婚。独身者主義だったのにすっかり周りの愉快な罠に填ってしまう。恋に落ちる瞬間ってどんなきっかけかは分からないものだ。まだお若くて初々しい頃のケイト・ベッキンセイルのヒーロー役は特にお気に入り!クローディオ(ロバート・ショーン・レナード)ともお似合いだ。ここでのキアヌ・リーヴスドン・ジョン)は悪い役。大公(殿)役のデンゼル・ワシントンはかっこいい!その異母兄弟という役柄のキアヌの企みで大変な騒ぎになるのだけれど、自らを毒草と語るドン・ジョンの理性などを嫌う人間...こういう役には何となくキアヌ・リーヴスは少し物足らない様にも感じた。髭で人相を悪くしていたけれど、やっぱり綺麗な顔立ちで贔屓目か、憎たらしい役ではなかったように思う。

とにかく、ケネス・ブラナーが特に楽しくて仕方ない〜!という雰囲気が伝わるもので、さすがシェイクスピア好きなお方だからなぁ〜と愉快。美しい自然とのびのびと軽快に全編を通して陽気な活力に溢れているのが良いと思う。思わず笑ってしまう場面も観る度に増えて行く。どこかドタバタ喜劇風なのも下品ではなく上手く描かれているので楽しい。役人たちも不思議な雰囲気を醸し出していた...最近知った事だけれど、こういう事を書いたりするのをネタバレとかって言うらしい。ダメなのかもしれないけれど、まぁいいかな。映画日記と覚え書きなのでお許し頂こうと思う。

から騒ぎ [DVD] から騒ぎ シェイクスピア全集 17 (17) (ちくま文庫 し 10-17)