大笑いした『チャップリンの黄金狂時代』

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さよなら子供たち』の事を書いていてチャップリンの映画で大笑いしている少年達の場面が浮かんだ。”チャップリン”という名はあまりにも偉大過ぎて、私如きが語ることさえおこがましい気がする。カラー世代で子供のくせにちょっとおませに『愛の嵐』の映像に魅せられた頃だったと思う。NHKだっただろうか?連日でチャップリン映画を放送していたのを観ていた。タイトルなどはずっと後になって一致した。私の初めて観たサイレント映画はテレビながらチャップリンだった。無声なことがとても不思議に思えた。ところが、この『黄金狂時代』はゲラゲラ笑ったものだった。チャップリンのあのトレードマークのちょび髭や山高帽、ステッキに大きなドタ靴。笑いの中に秘められたメッセージがある事など勿論当時は分かりもしない。ただただ面白かった。あのドタ靴を食べるシーンは特に可笑しかったのでずっと記憶に残っていた。パンにフォークを刺してダンスをするシーンとか。この作品がチャップリンの長編デビュー作で36歳の頃のものだという。1925年!80年も前の映画。えっ...!大正14年。そんな風に思うと時代の推移と不可思議な幸福感を得られるような。ただ可笑しいだけではなく、何かホロリとさせられ、そして希望や勇気を与えてくれる。笑うことってやっぱり大切。”泣き笑い”という言葉は簡単に使えるけれど、演じるのは安易なことではないと思う。チャップリンは「笑いとは反抗精神である。」と語録に残っている。そして、チャップリンに惹かれる魅力の中に音楽もある。無声映画なので台詞は字幕。でも、後ろに音楽が流れている。その音楽も脚本同様ご自身で作曲されていた。やっぱり天才だから〜♪と凄いなぁって思う。あと、全くミーハー気質なもので往年のファンの方々からお叱りを受けるかもしれないけれど、奥様が大勢いらしたこと。それも、幼な妻の可愛いお方が多い。妙にそういう所が気になってしまう。お子様も大勢。中でも、ジェラルディン・チャップリンはとても好きな女優さまのお一人でもある。

チャップリンが、赤狩り時代に不遇な扱いを受けた時に、弁護した友人でもあったバスター・キートンチャップリン以上に作品を知らないけれど、お顔の感じとのギャップが面白い。最初の出会いは1980年代になってから。FLESH FOR LULUという英国の美形なバンドが好きになり、その前身バンドのWASTED YOUTHのレコードを買った時。偉大な喜劇役者さまだとは知る由もなかった。でも、”このジャケットの方は誰だろう?”と美しいので気になった。そんな出会い。申し訳ないような、愉快なような♪

チャップリンの黄金狂時代 チャップリンの黄金狂時代:THE GOLD RUSH
監督:チャールズ・チャップリン 出演:チャールズ・チャップリン.ジョージア・ヘイル.マック・スウェイン.トム・マーレイ.ヘンリー・バーグマン (1925年・アメリカ映画)

追記
正確には1925年のオリジナル版と1942年版(チャップリンがカット編集しナレーションを加えたもの)が存在するそうです。良い時代です、今はそのどちらもDVD化されているのですね。・・・という事は私が子供の時にテレビで観たのはサウンド版というものなのだろうか?ビデオを持っているのだけれど、何やらヴァージョン違いがあるようなので再度ちゃんと観てみないといけません。