トム・ヴァーライン(TOM VERLAINE)を美しいと思った頃

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トム・ヴァーラインを知ったのはソロ・アルバムから。伝説のテレヴィジョンやネオン・ボーイズに出会うまでに少し時間が掛かった。そもそも、名前を知ったのはパティ・スミスのアルバムに参加(クレジット)されていたから。

大学に入ってすぐの事、先輩のお姉さまと出会い意気投合(今はフランスへ)。テープ交換を頻繁にしていた。私がトム・ヴァーラインの曲を入れていたので喜んで下さった。テレヴィジョンも既にお持ちでレアなシングルなども録音してくださった。そして、とっても才女なお方で幅広い知識をお持ち。当然多くの文学作品を読破されていた。ちょうど10歳程年上のお方だったので、教えて頂く事ばかりなのに私がエコ・バニの曲を入れたりすると、気に入ってくださったり、プログレもかなりお詳しいお方だった。北村昌士さんも好きだと仰っていた。”トム・ヴァーラインってヴェルレーヌの英語読みって知ってた?”と教えて頂いた。まだその時はフランス語を全く読めもしない頃だったので、”そうなのですか!!”とヴェルレーヌをちゃんと読もうと思った(こういう単純さの連続で生きている)。ギターの音色も好きだけれど、最初はあの変な歌い方というかお声に魅力を感じた。そして、1stアルバムのジャケットに写るお写真かな、やっぱり。神経質そうで繊細な感じ、でも穏やかそう。リチャード・ヘルもその後、すぐに好きになったけれど竹馬の友のようなお二人ながら、違うだろうなぁ...と察知できた。個性が強すぎるので共にバンドは長くは一緒でなかった。どちらが凄いとか優れているとか、そういう比較は好きではない。

パティの恋人だったと知り、なんてお似合いなのだろう〜♪と思った。追体験ながら、私の好きなパンク・ロックの多くはニューヨークだった。イギリスのクラッシュは別として。共通して感じられるのは詩人ぽさかな。インテリジェンスとヒリヒリした神経が音から伝わるように思えた。内面は佇まいにも自然と表れるものだろうから、ルックスからも感じられるように思ったものだ。

ひょろりとした細長い体型と首。正しく繊細そうで美しいと思った。後に太ってしまうけれど。来日公演を京都で!早くからブラブラ会場付近を歩いていると、本屋さんにギタリストの方がいたのでドキドキして遠目から眺めていた。そして、時間が迫ってきたのでエレベーターに乗ると、なんと!!トム・ヴァーラインご本人が★そういう時って、”絶句!”という状態になりサインを頂くことも可能だったのに握手すら、一言も何も言えずに固まっていたという感じ。まだあまりにも若かった(普通、若い頃は恐れを知らないものなのかもしれないのに)。でも、今でも面と向かうと単語すら出てこないでモゴモゴすることが多い。性格的な問題かな?でも、ビックリ体験とその奇跡的な瞬間に出会えたことは現実のことだったのだと思うとそれだけでも嬉しい♪