『パピヨンの贈りもの』 フィリップ・ミュイル監督 (2002年)

cinema-chouchou2008-04-04


パピヨンの贈りもの/LE PAPILLON
  2002年・フランス映画
監督・脚本:フィリップ・ミュイル 撮影:ニコラ・エルドゥ 音楽:ニコラ・エレラ
出演:ミシェル・セロー、クレール・ブアニッシュ、ナード・デュー、フランソワーズ・ミショー

クレール・ブアニッシュは、フィリップ・ミュイル監督の『パピヨンの贈りもの』(2002年・フランス映画)でデビューしたフランスの少女。赤毛とそばかすが可愛い♪私はまだこの作品でしか知らないけれど、活動は続けているようなのでまた他の作品も観てみたいと想っている。8歳の少女エルザに扮しているのだけれど、もうひとりの主役は名優ミシェル・セロー!エルザは母親と二人暮し。一緒に映画を観てハンバーグを食べる時を楽しみに待っている。でも、母(ナード・デュー)はお仕事(看護助手をしている)が忙しくてなかなか一緒にお出かけなどする時間はないのだ。同じアパートに住む老人ジュリアン(ミシェル・セロー)はエルザを部屋に招く。腕利きの時計職人を引退し、趣味の蝶を蒐集している一人暮らしの老人。世界中の珍しい蝶のコレクションがお部屋中に飾ってある。”ここは立ち入り禁止だよ”と言っていたお部屋にジュリアンの居ない隙にエルザは入ってみる。なんと!そこは生きた蝶たちが舞う夢のようなお部屋だった。ジュリアンは気ままな趣味人として生きていた。しかし、ヨーロッパで最も美しいと言われている幻のイザベルなる蝶を長年探しているけれど、まだ見ることはない。フランス南部のヴェルコールの山にイザベルが現れるという情報を得たジュリアンは車で出発した...少女エルザはそのお話を立ち聞きしていてジュリアンの車にこっそり乗り込んでいたのだった(可愛い~♪)。

困ったジュリアンながら、都会の生活しか知らず山に行ったことのないエルザを同行人に奇妙なふたりの幻の蝶探しの旅が始まった。道中、不機嫌な雰囲気になったりもしながら二人の間には友情が芽生えてくるのだった。パリに住む僅か8歳の少女と幾十年も生きてきた老人との心のふれあい。そんな姿を美しい自然と共に温かく描いている。胸に切なく伝わるものがある。いつも一人ぼっちのエルザは初めて見る(体験する)田舎の自然の美しさに歓喜する。その様子が可愛くてたまらない!童女特有のお声と話し方、ほわん~とした表情が実に愛らしい☆

まだ思春期前の幼い少女。心に隠し持つ孤独感がある。老人ジュリアンも実は亡くした息子との夢だった幻の蝶探し...エルザはジュリアンと一緒に旅するなかで無意識に隠し持っていたであろう心に喜びという気持ちを抱くことで幸せを感じるようになっていたのだと想う。言葉で自分の気持ちは説明できないけれど、きっとそうだろうなあ~と想わせてくださる素敵な映画。

パピヨンの贈りもの [DVD]