『仮面の男』 ランドール・ウォレス監督 原作:アレクサンドル・デュマ『鉄仮面』 (1998年)

仮面の男 [DVD]
仮面の男:THE MAN IN THE IRON MASK
1998年 アメリカ映画 ランドール・ウォレス監督

出演:レオナルド・ディカプリオジェレミー・アイアンズジョン・マルコヴィッチジェラール・ドパルデューガブリエル・バーンアンヌ・パリロー、ジュディット・ゴドレーシュ

もっと早く観れば良かった〜!とても楽しかった。レオナルド・ディカプリオのファンの方は多いと思うので、脇を固める四銃士の中年名優様たちの存在感を感じて頂けたと思う。私は逆なので、あまり興味の無かったディカプリオの良さを感じる事が出来た。でも、お目当てはジェレミー・アイアンズガブリエル・バーン

アレクサンドル・デュマの「鉄仮面」の映画化なので、フランスのルイ14世時代の歴史劇。この映画の主役はアイアンズ(アラミス)、マルコヴィッチ(アトス)、ドパルデュー(ポルトス)、バーン(ダルタニアン)の四銃士だ。うん!間違いない。でも、明らかに肌の艶などの違うお若いディカプリオも二役を好演していたと思う。ルイ14世と双子の幽閉されていた鉄仮面の弟フィリップを。

好きな作品によく出演されているけれど、どうも苦手なドパルデューも滑稽な役柄で可笑しかった。やっぱり上手い役者さんだ。頭は禿げているけれど渋い演技を見せるマルコヴィッチはここでも素晴らしかった。バーンはここではブロンドの横分けの長髪で今まで観た作品中、最も美しかった。大好きなアイアンズは、やっぱり素敵〜!ドパルデューって大きいのだけれど、身長はアイアンズが一番高かった。スラリと凛としていらっしゃる。お髭の感じや神父という役柄からロバート・デ・ニーロと共演した名作「ミッション」を思い出したり。最後の方でこの中年四銃士が若い騎士に走り立ち向かって行くシーンでは泣いてしまった。でも、4人とも生きていた。その勇姿に若い騎士達は圧倒されてしまう。勇者達の美!

結構、コメディっぽいシーンも多くクスクス笑ったりもした。皇后様にはアンヌ・パリローだったのも嬉しかった。でも、もう母親役をされるお年になってきたのだぁ...と。でもまだまだお綺麗だ。「ニキータ」が代表作かもしれないけれど、私は髪の長いアンヌ・パリローが好き。華奢な身体で色んな役をこなすお方だ。アラン・ドロンとの「危険なささやき」やダニエル・オートゥイユとの「悪魔の囁き」、デビュー作の「ガールズ」(これは試写会のチケットが当選して母と行ったのだ)、音楽は10ccだった。内容はあまり覚えていないけれどラブリーなハイティーンの女子達の青春ものだった。でも、テーマ曲は今でも浮かぶ。

偏見は損をする。そして、この映画は四銃士の見事な揃え方に勝利あり!また、観ようと思う。今度はもっとお衣装などもじっくりチェックしたり、アインアズの馬車に駆け乗るシーンの格好いいシーンとか...。ジュディット・ゴドレーシュも可愛かったし(自殺してしまうけれど)。

英仏米から個性的な演技派が揃って見応え充分。満足、満足な見終えた後の気分も良い作品だった。名作かと言われるとそんなのは後回し〜っていう感じ。見所が多いのは何度も楽しめるから好き。

仮面の男 (角川文庫クラシックス)