『でつながれるアメリカ人』 エリア・カザン語録

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「私は孤立してはいない。平たく言えば、わが国にはアフリカ<系>アメリカ人もいればイタリア<系>アメリカ人もいる。今や彼らは大きな存在だし、それ以前にはアイルランド<系>アメリカ人等々の問題もあった。アメリカに来て、彼ら独自の民族的な伝統や特徴、そしてそれ故に醸し出される神秘といったものから切り離されてしまった、これらすべての人々。そのことに思いを馳せたとき、これら"<系>アメリカ人"こそが真実、アメリカ人であると(それはまさに私がなりたかったものだ)私には思えるようになった。彼らはほとんどバラバラに孤立し、一人一人特殊な存在であるが、それがアメリカ人であり、そしてそのことがこの国の − 他の何事にも勝る −存在価値だと思えるのだ。」

エリア・カザン「<系>でつながれるアメリカ人」より

★自らをアナトリア<系>アメリカ人だと気づいた時の事、「何故、映画界から足を洗ったのか?」という問いに答えるインタビューより抜粋させて頂いた。他にも考えさせられる問題を感じてならない...。ここでは、アメリカの反ユダヤ主義を取材し、グレゴリー・ペックを主演に描き上げた名作「紳士協定」を。

「紳士協定」:GENTLEMAN'S AGREEMENT
1947年 アメリカ映画 エリア・カザン監督
出演:グレゴリー・ペック、ドロシー・マクガイア、ジョン・ガーフィールドセレステ・ホルム