映画人語録・好きな台詞

『愛の嵐』のルチアを描く芽となったと語るリリアーナ・カヴァーニ監督

愛の嵐/IL PORTIERE DI NOTTE 1973年・イタリア/アメリカ合作映画 監督:リリアーナ・カヴァーニ 製作:ロバート・ゴードン・エドワーズ 脚本:リリアーナ・カヴァーニ、イタロ・モスカーティ 撮影:アルフィオ・コンチーニ 音楽:ダニエル・パリス 出演:ダ…

ルイ・マルが語る『プリティ・ベビー』とルイス・キャロルの関係

「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」といえば、『プリティ・ベビー』を見ながら、キースキャラダイン扮する写真家ベロックとブルック・シールズのプリティ・ベビーの関係からルイス・キャロルとアリス・リデルの関係を想起せずにはいられなかったので…

ジャン=リュック・ゴダールが語るアラン・ドロン主演の『ヌーヴェルヴァーグ』

ヌーヴェルヴァーグ:NOUVELLE VAGUE監督:ジャン=リュック・ゴダール 出演:アラン・ドロン、ドミツィアーナ・ジョルダーノ、ロラン・アムステュツ (1990年・フランス・スイス合作映画)記憶というものは不思議。不意に甦る風景や人、会話や活字たち。でも…

ジャン・ロシュフォールが語る、ジョニー・アリディとの共演について。

列車に乗った男:L' HOMME DU TRAIN 監督:パトリス・ルコント 出演:ジャン・ロシュフォール、ジョニー・アリディ (2002年・フランス映画)先ず、私はパトリス・ルコント監督作品がとても好きなので、かなり贔屓目いっぱいでいつも新作を楽しく鑑賞している…

ジョゼ・ジョヴァンニが語る「男」について

父よ:MON PERE IL MA SAUVE LA VIE 監督:ジョゼ・ジョヴァンニ 出演:ブリュノ・クレメール、ヴァンサン・ルクール、ミシェル・ゴデ、リュフュス (2001年・フランス映画)この『父よ』が遺作となってしまったジョゼ・ジョヴァンニが90年代に語っていた語録…

『三島由紀夫映画批評2』「双頭の鷲」について

「悲劇を成就せねばならぬ。崩れるものはすべて醜い。」という全篇の主題は、登場人物の心理というよりは、この詩人の作者の制作心理に近いのである。映画という即戦即決の、はかないジャンルに対するコクトオの熱情をも、この主題が告白しているようにも思…

『まぼろし』 のマリー役について語る、シャーロット・ランプリングさま。

「このマリーの役は、一つの役というよりはこれまでの人生の集大成といったことかもしれません。誰もが通らなければならない道なのです。私の姉は20歳のときに自殺しました。母は姉の死後もずっと姉が生きている如く思い出に生きようとしました。私はといえ…

『裏窓』 蓮實重彦 「足場の崩壊」より

「『裏窓』の特権的な舞台装置は窓そのものではなく、窓と窓とを距てている中庭という虚空の存在であるということだ。」by 蓮實重彦 「足場の崩壊」より抜粋★不規則な周期でヒッチコックが観たくなる。恐怖映画も多種に渡るけれど心理サスペンスはどうも好き…

『恋人までの距離』でのセリーヌの台詞

「人間より環境の方が強いの。人間は脆く移ろいやすいものなのよ。」★ウィーンの町を観光しながらある展覧会の張り紙を見ながらセリーヌ(ジュリー・デルピー)がジェシー(イーサン・ホーク)に語る。この映画の魅力は彼らの会話がとても新鮮な感じで始終描…

『ガウディアフタヌーン』でのサンドラの台詞

「人は変わらない。時たま数歩、進歩するだけ。」★この映画の中の翻訳家カサンドラ(ジュディ・ディヴィス)がラストに語る言葉より。4人の個性派女優によるそれぞれの生き方の描写が好きだ。そして、このカサンドラの最後の言葉は何故かとても納得してしま…

『マンハッタン』のオープニング・ナレーション

「彼はニューヨーク・シティをこよなく愛した。彼にとってこの街は、ガーシュインのすばらしいメロディにふるえるモノクロの世界だった。」「マンハッタン」オープニング・ナレーションより「マンハッタン」:MANHATTAN 1979年 アメリカ映画 ウディ・アレン…

『アンダルシアの犬』について語るルイス・ブニュエル

「これは殺人への絶望的かつ情熱的な呼びかけでしかなく、美でも詩でもない。」by ルイス・ブニュエル★1928年にダリと共にフランスで製作したシュールレアリスム(シュールレアリズム)な短編実験映画についてブニュエル自らが語ったもの。「アンダルシアの…

ジャン・コクトー語録

「一つの仕事が終わると私は逃げ出す。私は新しい土地を探す。 おっちょこちょい、裏切り者、軽業師、気まぐれ芸術家。 そして私への賛辞としては、魔術師。」 by ジャン・コクトー★偉大なるジャン・コクトー!と思う。正しく魔術師の様な映像美が夢を与えて…

『夜と霧』のジャン・ケロールのナレーション

「静かな風景さえも、鳥の飛び交う草原や、刈り入れ時の畑、あるいは緑の燃え盛っている草地でさえも、車が通り、農民や恋人たちが歩いている道さえも、朝市がたち、教会の鐘楼の見えるヴァカンスを過ごす村さえも、ごく簡単に、絶滅収容所に通じているかも…

『突然炎のごとく』の撮影秘話を語るジャンヌ・モロー

「『つむじ風のシャンソン』は撮影が始まる前からずっと好んで口ずさんでいたのです。非常に予算も少なく、また少ないスタッフで撮られましたので、録音技師もいませんでした。『つむじ風のシャンソン』を録音したときだけ、臨時で録音技師を雇ったぐらいだ…

『さよなら子供たち』について語るルイ・マル

「私はこの朝の出来事を死ぬまで忘れない。」「私のキャリアの中で最も重要な作品。」 by ルイ・マル★ルイ・マル自身の12歳の時の体験を描いた自伝的要素の強い作品。名作だらけだけれど、この「さよなら子供たち」は後期の代表作・名作と言えるだろう。「さ…

『ブリジット・バルドーについて』 マルグリット・デュラス語録

「ブリジット・バルドー。それは男たちにとって決して叶えられない夢だ。永遠のあこがれだ。隠された裏切りの情念だ。世の妻としての女たちからその夫を奪い、ついには男たちを死に至る病に導いてしまう悪夢の女だ。」 by マルグリット・デュラス★大好きなデ…

『でつながれるアメリカ人』 エリア・カザン語録

「私は孤立してはいない。平たく言えば、わが国にはアフリカ<系>アメリカ人もいればイタリア<系>アメリカ人もいる。今や彼らは大きな存在だし、それ以前にはアイルランド<系>アメリカ人等々の問題もあった。アメリカに来て、彼ら独自の民族的な伝統や…

『道』(フェリーニ)について語るアッバス・キアロスタミ

「一本の映画を分析するには、どんな能力が必要だろう。あるいは監督の感情や経験を持ち、さらに倫理観、宗教、言語、郷土が同じであればいいのだろうか。現在、過去、未来を結びつける感情と経験は人それぞれ違う。私の好きな映画『道』でのフェリーニは私…

『白と黒の恋人たち』 フィリップ・ガレル語録

「フォルムの探求を熱心に行ったために、私の映画には人間に対する感情が欠落していたのだ。映画とエモーショナルなものは切り離せない関係にある。」 by フィリップ・ガレル★この様に語るガレルが恋人同士だったニコ(元ヴェルヴェット・アンダーグラウンド…

『チャップリンの偉大さについて』 マルグリット・デュラス語録

「チャップリンというのは、一人前の人間じゃないの。かれは天才的な障害者、精神の歴史のなかの素晴らしい事故、映画の巨大な断絶なのよ。精神の貧窮者。精神薄弱児なのよ。」 「チャップリンが幸運だったのは、無声映画の時代に登場したからだと言われてい…

『ザ・ガーデン』 デレク・ジャーマン語録

「この逸話にはとても心が惹かれたのです。蝶とは霊魂の化身、ロゴス(言葉)に対するプシケ(精神、魂)のようなものですから。夢とはいつも詩人の彷徨うひとつの場所、風景です。人はよく既視感を口にするけれど、僕も映画を撮りながらそれを感じる時があ…

『善悪の彼岸』 ニーチェとルー・サロメ

『鳥は、歌うな! 花よ、咲くな! 春はすでに過ぎ去ってしまった!』 (ニーチェ)『一年が終わろうとしているわ。世紀が変わるのよ。私達の時代が来るのよ!』 (ルー・サロメ) ★深い絶望の果ての様が哀切過ぎるニーチェの詩と、外の馬車には美しい青年(…

『羊たちの沈黙』について語るアンソニー・ホプキンス

「おのれの精神という下水に住んでいる男を思った。地下にうごめく生き物といったものを感じとりたいと思った。暗闇に潜む、高い教養を身につけた地下生物だ。」「カメラに向かって立つ前に、ひじょうに強いイメージをもっていなければならない。レクターの…

『ベルリン・天使の詩』 わらべうた 第2連より

子供は子供だった頃 いつも不思議だった なぜ 僕はここにいて そこにはいない? 時の始まりは いつ? 宇宙の果ては どこ? この世で生きてるのは ただの夢? 見るもの 聞くもの 嗅ぐものは この世の前の世の幻? 悪があるって ほんと? 悪い人がいるって ほ…

黒衣の花嫁

黒衣の花嫁/LA MARIEE ETAIT EN NOIR 1968年 フランス・イタリア合作映画 【監督】 フランソワ・トリュフォー 【出演】 ジャンヌ・モロー、ジャン=クロード・ブリアリ、ミシェル・ブーケ、クロード・リッシュ、シャルル・デネ ジャンヌ・モロー!この今もな…