『ジェイン・エア』 原作:シャーロット・ブロンテ

シャーロット・ブロンテの小説『ジェイン・エア』は幾度か映画化されているけれど、この小説が主人公ジェインの孤児としての少女時代の不遇な体験、虐待されても反抗し挑む心、常に人間の心は人を愛し、人から愛されたいというような気持ち。そんな尊厳さ、魂の躍動は成長してゆく過程の中で大切なもののように想い私は胸を打たれる。ローウッドの慈善学院での唯一の友人だった少女ヘレン・バーンズは、ジェインとは性格的には対照的な聖性の象徴のようで登場場面は少ないけれど(チフスにかかり幼い命を失ってしまう)、印象深く残っている。映画でも、どうしてもこの少女時代の場面が今も蘇るもの。名子役のこのジェインに扮するおふたり(ペギー・アン・ガーナーとアンナ・パキン)共に大好き!またヘレン役には美少女時代のエリザベス・テイラー、さらに家庭教師として赴任したエドワード・ロチェスター邸の教え子アデールはマーガレット・オブライエンと美少女揃い!原作ではジェインは小さく不器量ということだけれど、ジョーン・フォンテインシャルロット・ゲンズブールも美しいけれど、それは映画なのでそれも愉しい♪ロチェスター役はオーソン・ウェルズの方がウィリアム・ハートよりも断然好き。狂女バーサの姿なき存在もゾクっとする怪奇小説風でゴシック的な雰囲気を漂わせているので、その辺りも、1944年のロバート・スティーヴンソン監督作の方が、1996年のフランコ・ゼフィレッリ監督作品よりも好みのように思う。

『クララの森・少女愛惜』にて少し触れています♪