『ハンガー』 トニー・スコット監督 (1983年)

cinema-chouchou2007-02-19


ハンガー:THE HUNGER
1983年・イギリス映画
監督:トニー・スコット 出演:カトリーヌ・ドヌーヴデヴィッド・ボウイスーザン・サランドン、クリフ・デ・ヤング、ソフィー・ウォード、ウィレム・デフォー

吸血鬼映画にお詳しいお方はこの映画をどのように感じられたのだろうか?私はデヴィッド・ボウイが大好きで、この映画での共演がカトリーヌ・ドヌーヴスーザン・サランドンという好きな女優さまたちと知り、もう公開前からワクワクしていたのが懐かしい。監督はトニー・スコットなのでとても全編美麗な映像でファッショナブル。そして、この美男美女コンビ(普通のレベルではなく質も異様な美しさ♪)。ボウイは女吸血鬼(カーミラ)ミリアムに拾われた元英国貴族のジョン。18世紀のこと。その頃の回想シーンがとても美しく穏やかで大好き。ミリアムはピアノ、ジョンはチェロ、少女アリスはヴァイオリンという三重奏。ボウイ・ファンとしてはこの後、とても悲しい思いをすることになる...ジョンはミリアムに永遠の命を与えられ吸血鬼になったのだけれど寿命が近づいていたのだ、200歳までしか生きられない。ミリアムは何と8000年も行き続けている美しいままに(こういう魔性の魅力がドヌーヴにはあるのでお似合い)。嗚呼・・・哀れ!老いを感じ始めていたジョンは「眠りと寿命」という本を出版した女性サラの勤める病院へ赴く。しかし、彼女を待つ間の数十分の間に髪がゴッソリと抜け落ちてゆく...その後のボウイは特殊メイクを施された状態での出演で、あの美しいお姿はもう画面では観れなくなり死にゆく。かなりガッカリ★

しかし、この後はミリアムとサラの関係がとても興味深いもの。ミリアムはサラを誘惑し、遂にはサラも吸血鬼になる決意を。ミリアムの魅力に負けてしまったのだ。二人のレズビアン・シーンも話題となった。ロジェ・ヴァディムの初期の作品の『血とバラ』が重なり合うような吸血鬼映画。モダン・ホラーというのかかなり耽美的で美しい映像が印象的なので恐怖感は私はあまりないもの(でも、カテゴリーは「ホラー」にしておきます)。

後、忘れてはならないのは冒頭に登場する我らがバウハウス★ボウイの影響を大きく受けているこの英国のゴシック・バンド(ニュー・ウェイヴ)の歌う曲は『ベラルゴシの死』。もう、この辺りもトニー・スコットならではのセンスが光る計らい。トニー・スコット監督はとてもボウイ・ファンでもあり、『ザ・ハンガー』というカナダのテレビ映画のシリーズにボウイをホスト役で起用している。50代のボウイながらここでもとても素敵で美しい。監督もボウイの美と存在感に魅せられているというお話もされていた(嬉しい♪また、60代のボウイ様を主役で作品撮って下さい〜とお願いしたいです)。

関連:映画『ハンガー』のボウイと実現しなかったエゴン・シーレ役 : デヴィッド・ボウイ館 (David Bowie)

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