『マリー・アントワネット』 ソフィア・コッポラ監督 (2006年)

マリー・アントワネットMARIE ANTOINETTE
2006年・アメリカ映画
監督:ソフィア・コッポラ 出演:キルステン・ダンストジェイソン・シュワルツマンリップ・トーンジュディ・デイヴィス、マリアンヌ・フェイスフル、アーシア・アルジェントローズ・バーンジェイミー・ドーナン

バタバタした季節で公開が終わっては困ると早起きして朝一番の上映でやっと観てきた(正確には2/23)。私はソフィア・コッポラの感性や作品が好き。これで第3作目で、主演は『ヴァージン・スーサイズ』でも組んだキルステン・ダンストキルスティン・ダンスト)。今回もチラシを頂いていたけれど、あまり内容も読まずに楽しみにしていた。感想を簡潔に言うのなら「綺麗な映像と可愛い子供たち。少女マリー・アントワネットの運命。ヴェルサイユ宮殿や美しい自然の景色。ハンサムなフェルゼン♪」にキュンとなったりジ〜ンとなったりで素敵だった。

去年のカンヌ国際映画祭での賛否両論(ブーイングも起こったとか)も、実は観て納得出来た。私は個人的にフランス史上、最も愛され憎まれてきたこの、マリー・アントワネットという人物に興味を抱き続けているので、マリー・アントワネットに関する映画などはどうしても観てしまう。そして、池田理代子さまの『ベルサイユのばら』(タカラズカ公演で先に知ったのだけれど)も子供の頃から好きなので、原作も違うし比較する映画ではないのだけれど、フェルゼンの登場シーンでは思わずキャァ〜!と色々と蘇る想い出のシーンたちだったり。

世代感というのもとても大きいのだろう。いきなりセックス・ピストルズの字体で幕が開き、何と!ギャング・オブ・フォーの音楽。次々と懐かしい青春時代の音楽たちが流れる。エイフェックス・ツインスクエアプッシャー、フランスのエール、ヴィヴァルディのクラシック音楽なども織り交ぜながら。仮面舞踏会でスージー&ザ・バンシーズが流れた時は踊りたくなった♪ロココな美麗なお衣装や家具や小物たちにはうっとり〜だし、侍女の小さな少女たち、最初に生まれたマリー・テレーズ役の少女もとても可愛くて嬉しかった。スイーツたち、それも"王のお菓子”とされるブルオッシュ。色彩豊かにこれらのスイーツや美しい数々の靴たちが印象的だった。当時はフランス人は入浴という習慣がなかったけれど、母マリア・テレジア(マリアンヌ・フェイスフル様!)は幼い頃から入浴の習慣を身につけさせていたので、幾度かシーンで登場していた。頼りないルイ16世役のジェイソン・シュワルツマンはタニヤ・シャイアの息子さんなのでソフィア・コッポラは従姉妹。コッポラ・ファミリーは増え続けている。そうそう、配役がまた私好みだったのでもうお話は二の次、三の次。前述のマリアンヌ・フェイスフルさま(出番は少ないけれど娘に宛てた手紙の朗読であのお声が幾度も響いた。あのお声の存在感をソフィアは熟知している。そんなところも好き)を始め、ノアイユ伯爵夫人役のジュディ・デイヴィス(オーストラリアの名女優さま!)、デュ・バリー夫人役のアーシア・アルジェント(言わずもがなのイタリア・ホラーの巨匠:ダリオ・アルジェントの娘さま★)、ルイ15世役にはリップ・トーンシシー・スペイセクは従妹にあたり、ボウイ様の『地球に落ちて来た男』が直ぐに浮かぶアメリカの往年の渋い役者さま)とキルステン・ダンストも可愛いけれど、他に好きなお方が多くて私は満足していた。まぁ、”ええ!もう終わり?”という感じがしたけれど、2時間強をあっという間に観終えた後の気分は良かった。

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