『光る眼』 ウォルフ・リラ監督 (1960年)

cinema-chouchou2008-09-16


光る眼/VILLAGE OF THE DAMNED
  1960年・イギリス映画
監督:ウォルフ・リラ 原作:ジョン・ウィンダム 脚本:ウォルフ・リラ、スターリング・シリファント、ジョージ・バークレイ 撮影:ジェフリー・フェイスフル 特撮:トム・ハワード 音楽:ロン・グッドウィン 出演:ジョージ・サンダース、バーバラ・シェリー、マーティン・スティーヴンス(マーティン・ステファン)、マイケル・グウィン、ローレンス・ネイスミス

1960年のウォルフ・リラ監督の英国映画『光る眼』の端正なお顔立ちの美少年デヴィッド君。原作はジョン・ウィンダムの『呪われた村』で、監督方が脚色して映画化されたもの。英国的な佇まいというものが好きで、所謂ホラー作品にも独特の雰囲気を醸し出すお国。1960年というのだからとっても古い作品なので、特撮と言っても派手なものではない。けれど、モノクロの映像と無機質なデヴィッド少年や仲間の少年少女たちはどこか怖い、眼が光ると!ずっと以前に観たもので、『回転』について綴ろうと想っているのでマーティン・スティーヴンス(Martin Stephens)君(マーティン・ステファンと憶えている)のこの作品をちょっと先にと思い出した。

のどかなミッドウィッチという村で奇怪な事件が起こる。同じ日の同じ時刻にその村人たちが全て仮死状態となる。理由は分からない。彼らが蘇生して数ヵ月後、その村の女性たちが妊婦となる。喜ぶ教授夫妻もいれば、そんな覚えも無い可哀想な17歳の少女まで。そして、その子供たちは皆、お腹の中での成長は普通より早い。生まれてきた子供たちは、皆、絵に書いたような輝く金髪と風変わりな目つきをしている。そして、1歳の赤ちゃんの頃から大人並の知能を持っている。次第に成長した彼らは同い年位の子供たちと一緒に遊べない。彼らは集団で行動し、その中の誰かひとりがあることを学ぶと他の仲間にも即座に伝達される。そして、彼らは相手の考えていることも読み取ることができる。とてもIQ高し!色々と調査を進める大人たちの中でも彼らを抹殺してしまおうという動きが強くなる。同じ日に、世界中のあちこちで同じような事件が起こっていた。ある国では彼らが金髪であるが故に”悪魔の子”とされ抹殺されてしまったり、ソ連でも国家機関が彼らを抹殺してしまった。特殊な能力を悪用するからだと。デヴィッド少年たちはそれらの出来事を既に熟知していて生き延びるのだと固く誓っているようなのだ。デヴィッドの父親であるゴードン教授とアラン少佐は彼らをもう少し研究したいと願い出るのだけれど...。

少年少女たちはほとんど台詞はない。デヴィッド少年だけはゴードン夫妻の息子であるので幾場面かで語るけれど、その語り方も冷静沈着で12歳位の子供なのに大人のようでもある。しかし、お声や半ズボン姿の脚を見ればその頃の少年であると分かるのだけれど。妙な映画で、ホラーとされているけれど、かなり異質。SF的怪奇ミステリーというのだろうか。怖がりの私も怖くは無い。ただ、彼らは何処からやって来たのだろう...と。この映画の続編もあるけれど、それは未見なので謎のまま。ミステリーは謎のままが良いようにも想う☆

関連:『光る眼』の美少年デヴィッド(マーティン・ステファン)と仲間の少年少女たち♪ : クララの森・少女愛惜

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