『フェアリーテイル』 チャールズ・スターリッジ監督 (1997年)

フェアリーテイル/FAIRY TALE:A TRUE STORY
1997年・イギリス映画
監督:チャールズ・スターリッジ 出演:フロレンス・ハース、エリザベス・アール、ポール・マッギャン、フィービー・ニコルズ、ビル・ナイピーター・オトゥールハーヴェイ・カイテルボブ・ペック

可愛い二人の少女エルシーとフランシスは勿論のこと、英国の美しい景色と色彩、名優方の大人たちの存在感も嬉しい、とっても大好きな映画。『フェアリーテイル』というタイトルのみで即反応してしまう。残念ながら私はまだ妖精に出会っていない(いつか、きっと...と願う♪)。この映画に関してお話し出すと大変な文字数になると思う。”そよ風に踊って 妖精さん出てきて 黄金色の光の中へ どうかお願い♪”と可愛い二人の従姉妹が秘密の森で唄う。事実か嘘かなんてどうでもよくて、私は子供の信じるという清らかな心と世界の尊さがたまらなく好き。美しい英国の自然や衣装、そして二人の少女。でも、決してただの子供向け映画ではない。奥深いファンタジー映画。


《コティングリー妖精事件(1920年)の少女エルシーとフランシス》
1916年から1920年までに従姉妹の少女2人が撮影した妖精写真。上のものは1916年のフランシスと妖精をエルシーが撮影したもの。1920年に、この写真が報道されイギリス中で大論争となる。ヨークシャー地方のコティングリー村で、エルシー・ライト(16歳)と彼女の従姉妹のフランシス・グリフィス(9歳)が絵本『Princess Mary's Gift Book』(1815年)の中の妖精を模写したものを切り抜いて合成写真を撮ったのだった。少女たちは1980年(60年経過)にそのことを告白した。けれども、彼女たちは妖精を見たという。でも、撮影することが出来なかったのだ。だって、多分妖精は長く静止してはいないだろうから。私はこの二人の妖精を見たという言葉を信じている。なので、いつか死ぬまでに出来たら花の妖精か水の妖精に出会ってみたいというのが夢。大人には見えない、子供には見える・・・というのも少し違う気がする。現在子供の人でも頭から妖精の存在など想像上のものだと思っている人もいるだろうし、大人でも私みたいな気持ちの方がいると思うから。弟にこういうお話をすると”また、メルヘンの世界に行ってますね、大丈夫か?”と笑われる。彼はきっと会えないだろう。

1997年のイギリス映画『フェアリーテイル』はこの事件を基に映画化されたもの。英国の名優ピーター・オトゥールアーサー・コナン・ドイル役、ハーヴェイ・カイテルはフーディニー役で登場している。この当時の事件にアーサー・コナン・ドイルはとても関心を示しており、鑑定の結果”妖精の姿をとらえた写真が存在する!”と新聞にドイルのお墨付きが載ってしまったのだから、それは大変!論争も大いにあったようだけれど、第一次世界大戦という状況や心霊的研究(ドイルは降霊会にも参加している)、写真(カメラ)の発達、本当に見たことのある人たち、興味津々な人たち...を熱中させた実在の事件。二人の少女はきっと、こんな大きなことになるとは思ってもいなかっただろうと思う。
 


フェアリーテイル [DVD] 妖精の出現―コティングリー妖精事件 コティングリー妖精事件